「映画の自主上映会」ってどうやるの?企画から上映会前日までのTODO
「映画の自主上映会」にはいろんなやり方があると思いますが、私たち「はしのまち映画会」の自主上映会はどう企画・運営しているのかをまとめてみたいと思います。
私たちは会場として自由に使える場所を持っていないので、まずは上映会場として貸してくださる方々にご相談をします。
3~4か月前:上映会場を貸してくださる方と、上映会ができるか相談
上映会会場として場所を貸してくださる方と相談をします。
「はしのまち映画会」がこれまでにお借りした会場は、こんな共通点があります。
電車の駅から徒歩圏内の場所/または、無料で使える駐車スペースがじゅうぶんある
雨風の影響を受けない(屋根や壁がある)
トイレが敷地内にある
部屋を暗くできる(日中の上映であれば、雨戸がある/暗幕がある/暗幕をつるすことができる など)
20人から30人程度がほどよく入れるところ(椅子または座布団がある)
スクリーンを吊るせる または スクリーンのご用意がある
電源をお借りできる
周囲が騒がしくない
飲食を伴う交流ができる
物販をしてもよい
これまでに場所をお借りした方の中には、レンタルスペースを仕事としている方もいますが、それ以外は、お互いがどのような想いでどのようなお仕事・活動をされているのか、お借りする場所はどんなところなのか、どんな映画がお好きなのかなどをお伺いし、双方の希望や条件をすり合わせていっています。
(「はしのまち映画会」上映会は、営利目的でやっているわけではないため、想いのある人との出会いや対話を楽しめるような方と一緒に自主上映会をつくっていけるといいなと思っています。)
話し合ったうえで上映できそうだ、となったら、各種準備が間に合うタイミングで当日使う設備や段取りを確認していきます。
駐車スペースの確認(何台停められるか、誘導は必要か)
道案内などの確認(わかりづらい場所であれば、看板などを出してもらえるか)
受付や物販用のテーブルをご用意いただけそうか、どうレイアウトするかの確認
椅子や座布団はあるか、どうレイアウトするか。最大何人入れるかの確認
アフタートークの時の飲み物を出す/出さない、出すのであれば誰がどう動くのか(地域によっては、定期的なイベントとみなされると飲食の提供は販売の有無関係なく保健所の許可がいることもあるようです)
当日の流れと誰が何をするか
雨天時の傘置き場
空調はどうするか(真夏・真冬に空調が使えるか、使える場合は空調費用をいくらにするか)
約3か月(以上)前:上映する映画と日程を決める
会場が決まったら、お借りする会場の方が見たい映画と、「はしのまち映画会」が見たい映画をすり合わせて候補を絞っていきます。
いくつかに絞れたら、配給会社と、自主上映の可否、料金、上映素材(ブルーレイorDVD)などを調べていき、あまりに高いものや上映機材がないものは除外していきます。(自主上映の料金はピンキリで、集客力の高い人気のあるタイトルであればあるほど高額になる傾向があります)
同時並行で、希望日程も候補を挙げて絞っていきます。
映画と候補日が決定したら、配給会社にその旨を伝え、近い日程・地域での上映会がないかを確認してもらい、問題がなければ申し込みをします。
いつやればお客さんが来やすいのかは、(私たちもまだ模索しているところですが)どんな人に来てほしいかによって異なると思います。
リタイアされた高齢の方にたくさん来てもらいたいなら、平日の日中がよいでしょうし、平日の日中はお仕事されている方に来てもらいたいなら土日がいいかもしれません。
また、すでに決まっている地域のお祭りなどのイベントに被らないよう、ということも、できるだけ意識しています。
2~3か月前:当日の食事や物販、コラボ企画などを検討
飲食
交流を伴う上映会の際、コーヒーやおやつがあると喜ばれるかもしれません。
また、お昼で終わりの場合はお弁当などもあるとよいかもしれません。
はしのまち映画会では、地域のお菓子屋さんやお弁当屋さん、コーヒースタンドなどにお願いすることがあります。
物販
物販としてはこれまでに、はしのまち映画会で販売したものはこのようなものがあります。
フェアトレードチョコを使った量り売りのクッキー
社会福祉法人でつくられた雑貨
オーガニック農家さんのグラノーラや加工食品
タンブラー
雑誌『ビッグイシュー日本版』
「はしのまち映画会」にはそれほど多くのお客さんがいらっしゃるわけではないため、出店・出品してくださる方は儲けというよりは想いを同じくする方と繋がれたら…と出してくださっているのかなと感じます。
流れとしては
会場を貸してくださる方に、物販の可否や出店料の有無を確認する
出店・出品してくれそうな方に、条件をお伝えして打診をする
OKであれば、当日の集合時間や駐車場、設備(電源など)についてご連絡する
告知に使ってよい素材があればお写真やテキストなどをいただく
という形になるかと思います。
※物販については別記事でも詳しくご案内します。
2か月(以上)前:告知サイトをつくる
チケット販売ツールで前売券を販売する、または予約を取る場合は、イベントページや予約フォームをつくり、URLを決めます。
(告知チラシにURLやQRコードを掲載したい場合は、チラシの印刷までに用意しておく必要があるので、チラシより少し早めに着手する必要があります)
駐車場のスペースに限りがある場合は、あらかじめ来場方法や車種を前売券/予約申込フォームで聞いておくとスムーズです。
また、アフタートークで運営側が昼食などを用意する場合は、お弁当希望なども併せてフォームで聞いておくのもよいでしょう。
準備したページは公開する前に、会場を貸してくださる方にもチェックを出します。
2か月(以上)前:告知チラシをつくる
告知チラシを作る場合は、上記の告知サイトのURLをQRコードにして印刷します。
追い刷りの場合は、輪転機さえあればチラシ用紙を持ち込んでその日のうちに印刷ができますが、チラシデータを印刷業者に送って依頼する場合は、納期が長ければ長いほど安いので、余裕を持って発注します。
「はしのまち映画会」の場合は、社会課題に取り組むNPOに寄付をしてくれるプログラムを使って、「グラフィック」というネット印刷に依頼しています。
(詳細は、追って印刷についての記事を書きます)
こちらも準備したものは印刷する前に、会場を貸してくださる方にもデータでチェックを出します。
告知チラシ完成後~
チラシの配布やネットでの広報など、告知活動をしていきます。
「はしのまち映画会」ではチラシの配布は大々的ではありませんが、大きな会場を借りる場合などは、教育委員会経由で学校配布をお願いしたり、地域の各種団体に配布委託をするなどもあるようです。
その場合日程調整をしたり、チラシの枚数カウントや発送などもあるので、早めに準備をしておくとよさそうです。
1週間前:試写
上映会当日の10日~1週間くらいまえに、配給会社から上映素材が届くことが多いです。
何かあった時のことを考え、上映会の4日くらい前までには、当日使う機材を使って最初から最後まで試写をして、映像や音声の乱れがないか/途中で止まらないかなどを確認します。
複数人で上映会をする場合、当日受付などの担当になり映画を見られない人が出てくる場合は、試写で見てもらってもいいかもしれません☺
1週間前から前日:集客追い込み!
ほとんどの映画の場合、チケットが最も売れるのが、1週間を切ったあたりからです。これまでには「2日前まで0人」だったことも。
事前申し込みが少なくても(少ないならこそ)あきらめず、1週間前からチラシ配りやSNS告知、直接のお誘いなど、ラストスパートをかけていきます。
前日:予約者へのご案内
せっかく申し込んでくれていた人が当日「忘れた」ということがないように、はしのまち映画会では前日、連絡先がわかっている人には「時間・場所・注意事項」についてのメールを送ります。
※Peatixから自動案内メールも行くようですが、はしのまち映画会では迷う人が多いので、さらに詳細をお伝えしています。
会場名、住所
迷いやすい場所の場合は、道案内を入れる(はしのまち映画会では、動画での案内をつくることもあります。例)開場時間・上映開始時間
駐車スペースなどのご案内(先に来た車からここにこの順で停めておいてください、と図解しておくと、誘導係がいなくてもなんとかなっています)
キャンセルや遅刻の際の注意事項をお伝えしておく
持ち物(あれば)
等の項目を入れています。
随時:問い合わせ対応
告知物に出している問い合わせ先やSNSのDMに、随時お問い合わせが来ますので、その対応が必要となります。
想定内の質問の場合はすぐ返せますが、関係者で協議しないといけないものもあるので関係者間の「相談ツール」を決めておくとよいと思います。
お問い合わせの例
「オンラインチケット販売のサイトを使いたくない/使えなかった。現金で支払う方法はあるか」
→会場を貸してくださる方と相談して、前日までに会場に現金でお渡し頂ければOKとお伝え。「オンラインチケット販売のサイトで申し込んだが、届いているか」
→管理画面を確認してお返事。「(空席がある時に)まだ席はあるか」
→現時点では空席はあるけれど、当日あるかどうかはわからない。満席になり次第SNSで案内するのでフォローorチェックしてほしいとお伝え。「(満席になった映画会に対して)キャンセル待ちはできるか」
→今は満席だけれど、キャンセルが出たらメルマガで先着受付で案内するので登録してほしいとお伝え。「小さい子どもがいるが、連れて行ってもいいか」
→託児はないので、他の方の視聴の邪魔にならなければOKですとお伝え。
その他、会場や備品を貸してくださる方や物販をしてくださる方などからの確認や、取材のご依頼をいただくこともあるので、1日に数回はメールボックス・SNSのメッセンジャーをチェックするようにしています☺
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はしのまち映画会(和歌山県橋本市)
https://hashinomachi-movie.jimdosite.com/
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