「粘り強さ」が重要なスキルである理由。
粘り強さが必要な簡単な理由
「1万時間の法則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
マルコムグラッドウェルという方が提唱した、エキスパートになるためにはその道の練習を1万時間以上する必要があるというものです。
例えばサッカー選手になるためには、1万時間をサッカーの練習に捧げる必要があるとざっくり言っています。
1万時間というと三時間の練習を毎日したとしても3333日かかる計算。ほぼ10年と考えると、かなりの継続といえるでしょう。
私個人としては1万時間は一つの目安でしかないとは思いますが、その道で成功する人というのは多くの努力や成長を重ねてきたことは間違いないと思います。
継続は力なりということを示す研究は他にも。
「GRITーやり抜く力」というメンタルの能力が、成功のために重要であるという研究成果がアメリカの心理学者アンジェラ・ダックワースによって報告されました。
このやり抜く力は「情熱」×「粘り強さ」だとし、厳しい訓練を乗り越えた軍人はこの能力が高い人たちだったそうです。諦めないこと、粘り強さを持つことの重要性を主張しています。
自分の能力を高めていくアスリートにとっても、膨大な量を、長い年月をかけて積み重ねていくことが重要。そう考えた時にには、やはり長期的な目線が必要になってきます。ここに粘り強さが必要になります。
結果もメンタルも波があって当たり前
逆に、粘り強さを持てない選手はどんなメンタルなのか。
コーチングをしていると
「気分の波があって、うまくメンタルをコントロールできません…」
そんな風に相談してくれる選手がいます。
気分の波によって、練習へのモチベーションが変わってしまったり、質が変わりすぎてしまうといいます。
コミュニケーションを重ね、深く話を聞いて行くと心の底では「メンタルの波があってはいけない」と強く思い込んでいるケースがあります。
しかし改めて考えてみると、調子の波のない選手など果たしているのでしょうか?
もし、そんな選手がいるとしても、その方はこれまでの人生に一度も落ち込んだことのない人なのでしょうか?
想像してみても、きっとそんなことはないと思うのです。
だからこそ、メンタルの波も結果の波もあっていいのです。その波を認めることで初めて、置かれている自分の状況と初めて向き合うことができます。
大切なことは、その波にどう乗るかを考えること。
調子がいい時は何をするか?
調子が悪い時こそ何をするか?
それを考え続けられる選手は、調子の良い悪いにかかわらず、「今、ここ」でできることに目を向けることができます。粘り強さはここに生まれてきます。
「うまくいかない…」そんな時に何をするか?
調子がいい時にモチベーションを維持するのは、比較的容易だと思います。
だからこそ、調子が悪いと感じる時にどのように過ごすかが重要であるのは、間違い無いでしょう。
うまくいかない…
そんな認識を作っているのは主に「結果」です。
相手に勝てなかったり、タイムが出なかったり。
しかし、結果にばかり目を向けてしまうと、ある大切なものを見失ってしまいます。
それが「自分自身の成長」です。
結果は誰からみてもわかりやすいものです。だからこそ、他人からの評価も結果で判断されやすい。
一方で成長というとなかなか目に見えづらいものです。昨日より今日が良くなったかどうかというのは、他人も評価しづらい。特に競技レベルが高くなるほど、変化の量も小さくなっていきます。
だからこそ、目に見えないような小さな成長を大切にできるかどうかがポイントになってきます。目に見えないというぐらいなので、他人にはきっとわからないでしょう。だからこそ、自分自身でこの成長を見えるようにしていくしかありません。
オススメは、今日できた成長や学んだことを一つでもいいのでノートに書いていくこと。
どんな小さなことでもいいのです。
サッカーなら、一対一の時の相手との距離が20cm縮まったとか。
陸上競技なら、スタートの反応ちょっとだけ改善したとか。
野球なら、ゴロの捕球がスムーズになったとか。
そういった細かなことの積み重ねが、大きな変化につながります。
1日1つでもかけたなら、1年で365個になります。3つ書いたなら、1000個以上です。小さな成長でもそれだけあれば、その分の自信がついてきます。そうなれば結果にも変化が現れてくるかもしれません。チリも積もれば山となる。千里の道も一歩からです。
うまくいかない時こそ、着実に小さな成長を重ねていく。そんな選手になれたらいかがでしょうか?
1日1日の積み重ねが「粘り強さ」の源です。
じっくり成長していきましょうね。
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