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Year End LATIN Bash with CENTRAL at 代官山 晴れたら空に豆まいて

 不意にTwitterで見つけてしまい、50過ぎて重い腰を無理から持ち上げて10年ぶりの代官山、演奏中はともかくDJ中が荷だよなぁと思いつつ四捨五入したら100だから大丈夫と屁のツッパリを入れて一人ライヴ行。終わってしまえばムダすぎた取り越し苦労で、いや、ほんと、生きてて良かった級に最高だったの!!

 そもそも昨日はそんなつもりもなかったけれど、人として根付いた何かがまだ残っていたらしく、3か月ぶりに2階に掃除機をかけ、半年ぶりにハタキをかけ、1年ぶりに階段の電球を拭き天井の隅の埃を払い、風呂場と洗濯機の下は見ないふり、玄関先はまた明日、台所と玄関のマットを生まれて初めて自分で新しくして、迂闊に買ったらちょっと短くて30㎝くらい床見えちゃうけど、1週間前のキーマカレーをパスタにかけた遅い昼食で、なんとなく気分はすっきりして、ぽつねんと年末。掃除した後だと床が広くてまたひときわ。
 全少サッカーの決勝の録画も見て感嘆と溜息で午後早いうちは一杯になったけど、さてどうするよ。来年からの人生も含めてさてどうするよ。そういう時、現代人は携帯見るよね。SNSチェックするよね。
 すると、“2020年ラストライブはこちら! 明日12/29(火) 代官山 晴れたら空に豆まいて Aui esta CENTRAL con sabooooooor!!!!” しかもDJ:Shin Miyata。
 このCENTRALのリーダーのヒデローは3つ年下で、ざっと25年前に早稲田の廃屋で出会い、彼の歌う「津軽恋女」に何度も涙して、99年の正月はカニ食べた後でヒルベルト・サンタ=ロサの歌唱について熱く語りあう夜があり、最後に会ったのは確か当時物販で入っていたLATIN HARLEMというイベントでのレコ発ライヴで、それがおよそ20年前。
 最後の sabooooooor が効いた。ロゴはFANIAのカラーリング。絶対好きなヤツ。お前もそうか。三つ子の魂100までか。ヤツはそれを生きてきたのか。今でも俺のサブスクにはあの頃のサルサが満載で、聴くたび一人で熱く燃えているけれど、そこに同志がいたのか。
 でもどうだろう、俺たちが20年前に好きだった50年前の音楽を地球の反対側で2020年にやってるって。30年前にクイーンとかツェッペリンのコピーバンドをロックじゃないだろうそれはってさんざん蔑んでいたのは誰だったよ。キャリアはあるからそれなりに演奏はちゃんとしてるだろうけど、内輪色濃くて、なんか取り残されない? そもそも遠いんだ代官山。なんだ晴れたら空に豆まいてって。
 ちょっと悩んだ。正しくは1時間半くらい。チェルシーvsアストンビラの前半見て、それからTBSの宇内アナウンサーのゲーム動画見ちゃった。
 それなりに楽しいけれど、やっぱりこのままじゃダメだこりゃ。来年からの誓いをちょっと先取り、軽はずみだって失敗したって、一人だからこそ百だからこそ、やってみなはれ行ってみなはれ。
 というわけで、20分自転車こいで新田駅、草加で乗り換えて半蔵門線端から端まで、東横線の乗り換えが改札出なくなったことに驚愕して代官山。最後に来た頃にはまだボンジュールレコードがあったような気がするけど、跡形もないっていうかどこにあったかも思い出せない…
 入ったらもうDJは始まっていて、やっぱりクバリブレだろうとラムコーラを頼み、隅のシートを確保して、おもむろに携帯も取り出して一応恰好を整えて。
 フロアの中央に、円形でメンバーが内側向くようにセッティングしてあって、おっとこれは一味違いそうだ。向こう側でヒデローがうろうろしてる。20年ぶりでもすぐわかった。年期は入ったが、変わってないな… 
 そこかしこからメンバーが近づき初めて、ベースと歌手は若そうだけど、他のメンバーはだいぶ味が沁みてる気配。ボンゴセーロの歯が欠けてるし、ピアノとテナーは多分スキンヘッド。ティンバレス・コンガ・ボンゴ・ベース・ピアノ・トロンボーン・テナー・アルト・シンガー。トランペットじゃなくて、サックス2本のコンフント。否応もなくオチョだ。これもざっと25年前、オチョの再発に関わった身としてはちょっと、楽器の並びだけでやや胸熱。
 じゃ、やりましょう、やりましょう。始めます。ワン、トゥー、スリー、フォー
 
 最高。

 ぶっとくて、ちょっと甘酸っぱくて、小股の切れ上がったミッド70s〜アーリー80sのN.Y.サルサ。フォルクロリコの“Corta el Bonche”にペリーコの“Camaron”のカバー。Los Soneros del Barrioの1stみたいだ! 日頃の鍛錬の成果を以って好きなものを全力でやる。今やる。ここでやる。みんなでやる。血が騒ぐやつ。腰にくるやつ。後先考えないやつ。ヤーとかギャーとか叫ぶやつ。さすがにこれは踊るやつ。踊れなくても踊るやつ。
 途中にメンバーが歌うコーナーの微笑ましさも最早好ましくって、Shin MiyataのDJがまた、1stセットをメレンゲで受けてオチョを経由してウィリー・チリーノに流すという神っぷり、ヒデローに紹介してもらって握手してもらっちゃって、年甲斐もなくニヤニヤなのさ。
 2ndセットは当然ながらオートラオートラで、とどめは鬼スパートのマンボ・ジャズ“Bam con Tin”!! 燃える~~!! ぶっ飛ばされる~~!! 

 2020年、いろいろあった、いや、なんにもできなかった。そう言ったらさすがに自分が可哀そうだけど、大筋そんな感じ。でも、これがありました。まだまだ行けるっしょ。行かなきゃまずいっしょって、ガッツがまた湧いてきた。Que Viva La Musica !!

CENTRAL、1月末には新譜が出るとのこと。楽しみ~!!

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