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淘宝の「逛逛(グァングァン)」機能は、次の小紅書になるのか?

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。2019年、淘宝網が発表したデータによると、毎晩淘宝網にアクセスする消費者の内、1,700万人が購入に至ってませんでした。意外と皆さん買わないんですね。この問題を解決するために、淘宝網はあらゆる手を尽くしてきました。

そしてついに、2020年12月、淘宝網は「淘宝逛逛(タオバオグァングァン)」という機能をリリースしました。元々は「※买家秀(マイジャーショウ))」のコミュニティとして使われてきましたが、今では買い手、売り手を問わずに、小紅書のように誰でもコンテンツを投稿することが出来るプラットフォームとなっています。

※买家秀:買い手が商品を購入した後に、プラットフォームに商品写真や感想を投稿すること。

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そして、淘宝網は「淘宝逛逛」を成長させるために、「创作成长激励(創作記事にボーナスを与える)」「优质内容奖励金(優秀な記事にボーナスを与える)」などのイベントを実施し、ボーナス金として13億元(約217億円)を投資しました。それだけではなく、淘宝網はビリビリ動画で活躍するKOLたちに声をかけ、淘宝網のKOLとして契約しました。

その結果、「淘宝逛逛」は現在200万人以上のKOC、30万人以上のKOL、450万以上の「种草商品数(KOLに紹介された商品数)」を持つようになりました。

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淘宝網はなぜ「淘宝逛逛」に力を入れたのか?

近年、「种草经济(KOLが紹介した商品を買うこと)」の文化が根付いてきており、どのプラットフォームでも「种草类博主(商品を紹介するKOL)」が存在しています。また、これらのKOLは「带货能力(販売力)」が強く、紹介した商品が品切れになることも珍しくありません。

このように高い購入コンバージョン率を目の当たりにした淘宝網は、トラフィックが外部サイトに流れていってしまわないように、「商品を見る」から「商品を買う」まで、ワンストップで出来るプラットフォームになろうとしているようです。

また、ライブコマースや「淘宝逛逛」に力を入れたことで、淘宝網は人々が物を買いたいときにだけ開くプラットフォームではなく、レジャーや娯楽の情報を集めるメディアの一部となりつつあります。

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小紅書と比較して淘宝逛逛の利点は?

淘宝逛逛がリリースされてから様々な声がネット上に上がりました。その中で、最も多かったのは小紅書に似ているという声でした。

小紅書と比較した時に、淘宝逛逛の優位な点はどこか、というと、それは淘宝網自身です。小紅書で紹介されている商品は、一部は小紅書のショッピングモールで購入できますが、多くは「淘宝」、「京东(JD.COM)」、「拼多多(pingduoduo)」などのECプラットフォームでしか購入することができません。一方、淘宝網の場合は、プラットフォームを切り替える必要がありません。淘宝逛逛で気に入った商品はそのまま淘宝網で購入することが出来ます。

また、小紅書はここ数年広告記事がどんどん増えてきていて、過剰評価や嘘の宣伝が多くなってきたことで記事の質が徐々に落ちてきていると噂されています。一方で淘宝網は記事内容やKOLを厳密に管理していて、記事の内容は小紅書よりも信用が出来るものとなっています。

以上、淘宝の「逛逛(グァングァン)」機能についてのご紹介でした。中国にはSNSプラットフォームが数多くあり、様々な企業がこの業界に参入しようとしています。淘宝逛逛が今後小紅書に勝つ日がくるのかどうか注目していきたいと思います。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

小紅書について詳しく知りたい方は、ぜひ弊社のYouTubeチャンネルをご覧ください。

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