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新型コロナウィルスによる中国の消費心理の変化、日本ブランドの将来はどうなる?

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。本日は中国で騒がれているニュースと中国の消費心理について話したいと思います。

最近、各ナショナルブランドが値上げするかもしれないと中国国内で情報が広まっています。中国広州にあるシャネルの店前に行列ができたと各SNS上で騒がれていました。中国の報道によると、シャネルに取材したところ、「値上げすることを検討しているのは事実だが、具体的にいつからどれくらい値上げするかはまだはっきりと決めていない」との答えが返ってきたようです。また、シャネルだけではなく、LV、Gucci、Dior等のブランドも値上げすると噂されています。

では、行列並んでまでブランド品を買う中国人の消費心理は一体なんでしょうか?新型コロナウィルスの影響で変化しつつある若者の消費観念はどう変わったのでしょうか?

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心理1:「復讐型」消費

中国人の爆買いは有名ですよね。新型コロナウィルスの影響で外出自粛になった中国人たちは、外出解禁となった現在では、「外出したらたくさん買い物する」や「旅行したい、旅先で爆買いしたい」等の声が出ています。一部の若者はこうした「復讐型」の消費行為を取ったのです。

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中国山東省にある某串屋さんが営業復活してすぐに、お客さんから全メニューの注文を受けました。最初は悪戯と思っていたのですが、3時間もかけて店内のメニューをすべて調理し配達しました。結局、このオーダーは悪戯ではなく、会計が全部で1,200元(日本円約18,000円)もの金額になりました。オーダーした人の話によると家族8人でも食べきれなかったそうです。また、2020年3月26日までのアリペイのデータによると、武漢のタピオカの出前オーダーが3日間で販売数量が通常時の約8倍に増加、上海市民は1週間で33万杯のタピオカを注文し、中には1回で77杯を注文する人もいたそうです。こういった「復讐型」の消費行為のの一部は「食事」に当てられています。しかしながら、こういった現象は長くは続かないでしょう。

では、「買物」に関する中国の若者の消費心理はどうでしょうか?結論から言うと、新型コロナウィルスの影響で一変しました。

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心理2:爆買いから貯金へと変化

「復讐型」の消費行為ができる前提は、経済力があることです。以前、中国の若者は「月光族(ユェーグァンズゥー)」と呼ばれていました。毎月の給料を全て使い切るという意味です。好きな物を買ったり、旅行したり、高価な物は分割で払ったりして、貯金なんか頭にない人が多かったことから、こう呼ばれるようになりました。しかし、新型コロナウィルスの影響で、中国国内も日本と同じように、失業した人や給料が減らされた人がたくさんいます。そんな中で、爆買いより貯金の大事さに気づく若者が増えきているようです

元々毎日スタバのコーヒーを飲まないとやっていけない人は、普通のコーヒーでも全く問題ないと感じたり、同僚とよく外食に出かけた人は、自炊生活に慣れて料理を楽しんだり、ペットフードを常に切らさないようにしている人は、ペットフードを手作りにしたりしています。消費心理に徐々に「理性」が入り込むようになっています。

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消費者の消費心理やライフスタイルが変化したことで、中国多くの企業は新たなビジネスチャンスを模索しています。自炊生活が増えてきている中、飲食系の企業は「ライブ調理教室」へと事業転換したり、人々の自炊生活をより便利にするため、日本でも知られている火鍋屋さん「海底捞(カイテイロウ)」は半分だけ完成した惣菜を販売しています。

冒頭部分でお話したブランド品の値上げの話に戻りますが、これからは「理性」を持つようになり、「節約」を覚えた若者が増えていく中、ナショナルブランド企業は販売量で勝負できないため、単価を上げることで勝負しようと考えているのではないでしょうか。その流れは、今までの消費者を一部失うことにもなりますよね。

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中国の若者の消費観念が変化したことで、日本にはどのような影響を及ぼすのでしょうか?爆買いがなくなり、日本ブランドへの執着心が薄れていくとしたら、インバウンドプロモーションの手法も変えていった方がいいのかもしれないですね。

気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

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