暮らりが”ひらく”ために実践している3つのこと
暮らりは、2022年5月から事業開始した、デイサービスとデザインオフィスのある複合型ふくし拠点です。
いわゆる福祉施設がひらいていくことに大きな意味があると思っています。長期的には福祉施設のある地域の福祉的文化（人間を受け入れることのできる許容量）の醸成にもつながるのではないかと感じます。
事業所にとっても、スタッフの採用、利用者獲得、組織文化など好影響をもたらす可能性があるのではないでしょうか。
それでは、暮らりが現在、実践している3つのことをお伝えします。
①地域にひらく
・暮らりの八百屋
毎週決まった時間に決まった場所で開催していると、常連のような方も現れてコミュニケーションの場になっています。
八百屋によって、介護以外で暮らりへの入り口をつくることにつながっているため学生さんやボランティアの方など関わりしろを生んでいるように感じます。
地域住民の方から介護に関する相談もされることもあります。きっと、八百屋が緩衝材（言い訳）となり、相談のきっかけをデザインすることができるのでしょう。
暮らりの八百屋はいわば、3畳ほどのパブリックスペースです。介護だけでは見ることのない景色を作り出すことができています。
介護施設が前面に出てしまうと、「私には関係のないもの」と捉えられかねないので、定期的にひらく（できれば日常的に）ことをしていれば、何かあったときに声をかけてもらえる可能性が高まるのではないでしょうか。
・デザインオフィスの存在
暮らりの2階はデザインオフィスとして貸し出しています。女性3人組のユニット「パンパカンパニ」です。オフィスとして使ってもらうことで、デイサービスの空間に日常的に介護ドメイン以外の人にかかわってもらえることに成功しています。
デイサービスで作ったお菓子などが余れば、2階にもってあがったりとゆるやかな関わりも生まれています。
そして、デザイン関係の人たちが暮らりに訪れてくださるきっかけにもなります。
②介護記録の開示
くらすば（デイサービス）では、「ケアコラボ」という介護記録ソフトを使用しています。
文字だけではなく、写真と一緒に記録をすることができることが特徴です。
記録した内容はご家族とも共有することができます。
今までの介護記録は基本的には文字のみで、スタッフ同士の情報共有として活用されることが主たる目的でした。
家族とは連絡帳を使って、情報共有を行う事業所が多いのではないでしょうか。しかし、情報量も少なく、伝えたいことが伝わらないという葛藤もあります。事業所の中で何が行われているのかが見えないというのは、日々の不安につながります。不安の蓄積は、職員や事業所への不信感となりかねません。
このケアコラボでは家族との共有はもちろん、僕たちの事業所では毎月、担当ケアマネさんにも記録を開示することを今月（2022.8）から始めています。
日々に活動風景を視覚的に伝えるだけなく、スタッフの思考過程や実践を見える化することで事業所としての価値をひらくことができます。
まだまだこれからですが、ご家族や担当ケアマネさんとの円滑なコミュニケーションにつながることを期待しています。
③まだ出会えぬ人たちへの情報発信
暮らりはSNSの運用にも力を入れています。
主にはインスタグラムがメインです。
介護サービスを使われている（これから使われるであろう）利用者さんのご家族（子どもや孫世代）はスマホをほとんどの確率で持っています。
きっとどのような介護施設なのかを気にされるかたも、これからますます増えてくるのではないと予想しています。
そんなときに「っあ！ここの施設は雰囲気いいかもな」と思ってもらえるように、活動を外へ発信し続けておく必要があるのではないでしょうか。
そして、ご家族のためだけではなく、一緒に働いてほしいスタッフに訴求するためにも重要です。「こんな場所で、こんな取り組みをしているところで働きたい」と思ってもらうこともできるかもしれません。
このように、5月から3か月ではありますが、地道に実践を重ねてみています。たった3か月ですが、以下のような効果が表れています。
・利用者さんや家族が見学にきやすくなる①
・介護の相談につながる①
・外部の人が気軽に入ってきてくれるので、ある種に組織に対する監査機能を果たしている①
・学生やボランティアがかかわってくれる①
・スタッフ採用につながった③
・家族とのコミュニケーションがとりやすくなった②
・地域の方とお話することができている①
自分の施設でもやってみた～～い。みたいなことあればぜひ一緒に取り組みましょう。自分たちのリソースを自覚していろんな形でひらいていくと、新たな可能性がひらけてくると思っています！！！
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