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スマホで星空散策@開田高原

凛とした凪、圧倒的な静謐。
宇宙と自分の境界が溶けていく、極めてボーダレスな世界。

開田高原に到着してすぐに撮影した一枚 (f/2.2, 30秒, 2.67mm, ISO 1600) 。僕の来た道を指し示すように堂々とした姿を見せてくれた北斗七星。早速の出迎えに感謝。

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1月の下旬、ほぼ徹夜の星空観望のために長野県の開田高原へ出かけた。
午後11時ごろに現地へ到着。
車を降りてすぐに、年に何度もない当たり日だと感じた。
風は全く凪いでおり、薄曇りさえない完璧な快晴。
日常と隔絶されたかのような、非現実感が主導する世界。

気温はゆうに氷点下だったが、鎌倉の中にいるかのような、静かで暖かい空気だ。
あたりには昨日か一昨日くらいに降った雪がほとんどそのまま残されていて、その静寂に一役買っていた。

流石に空は真っ暗とはいかず、遠くの街あかりが地平線の向こうから顔を出していた。それによって、ここがそうした日常と地続きの場所だとかろうじて感じられた。
地表の残雪と街あかりとが合間って、目が慣れてくると辺りは穏やかな仄明るさに包まれた。

閑話休題

開田高原に着くなり、早速三脚を立て、スマホでの撮影を開始した。
スマホ撮影の利点はなんといってもその手軽さだ。
準備というほどのことは何もなく、ただ三脚を広げて、付属のアタッチメントにスマホを装着して終了だ。準備を始めてから冒頭の一枚を取るまで3分も経ってないだろう。カップラーメンも作れない早業(必要技能ゼロ)である。

機材はスマホと三脚だけ。
スマホ用簡易三脚(2500円くらい)
僕が使っているスマホはXperia 1 IIなのでこっちは定価だと12万円くらいするけども...

カメラに全く詳しくないので、スマホにどんな性能を求めるかということについては全く門外漢だが、最低限ISOと露光時間がいじれればそれなりの物は取れると思う。スマホでここまで簡単にこんなのが撮影できるなんて、、現代の携帯電話ってほんとにすごい(電話としての機能には御隠居生活をお願いして久しいが)。

以下、撮影した画像をいくつかピックアップしてお送りする。

ほぼ画面中央にカシオペヤ座が作るM字が見てとれる。
そうと知らなければ見えてこないが、天の川はカシオペヤ座を貫いて流れていて、ぼんやりと濃淡の異なる帯としてその姿を見ることができる(下図参照)。

出典:http://www.cc9.ne.jp/~lynx/cosmic/121007.html

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左上に冬の大三角、中央やや左にオリオン座、中央やや右にすばる。
実は天の川は冬の大三角も貫いている。上の画像だとカシオペヤ座の場合よりも判別しにくいが(下図参照)。

出典:https://plus.chunichi.co.jp/blog/asada/article/282/2119/

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オリオン座周辺。オリオン座中央下に位置しているオリオン大星雲の広がりがギリギリ捕らえられている。スマホでここまで撮れるって改めてすごい。
また、こちらの画像だとだいぶ天の川の感じがわかりやすいかと思う。
天の川は中央上から左中央へと流れている。
ちなみに、左下の線は飛行機のライトが描いた軌跡。30秒露光で撮影しているので30秒間に動いた分が線として映り込んでいる。

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すばる、あるいはプレアデス星団(M45)。
十分暗ければ肉眼でも6、7個の星が見える。
良い機材環境で撮影すると、その身に纏っているガスの反射光も捉えることができ、非常に幻想的だ。

出典:Wikipedia

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最後に持参したアクションカムで撮影したオリオン座周辺のタイムラプスを公開しておこうと思う。ページに埋め込んで再生することができないので、興味のある方は各自ダウンロードしてほしい(大体17MBくらいのサイズ)。
全体でおよそ2時間のタイムラプスで、1コマ30間隔、25秒露光、ISO3200の設定だ。ロウデータだと色味がよろしくなかったので、友達にお願いしてその部分だけ調整してもらった。
こちらもスマホの撮影と同様、簡単なセットアップ確認のあとは2時間放置するだけという手軽さだ。

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