映画『雪山の絆』感想。壮絶の極みだけどストレスはゼロ。
Netflix映画『雪山の絆』を自宅鑑賞
監督・脚本・製作はスペインのJ.A.バヨナ。実話ベース。
【感想】
通常のディザスターものと違うのは、主人公たちが「ラグビー選手チーム」ということだろう。生き延びる力がきっと、一般人より強い。意図的なのかどうか、全編通して自分が生きるために小ずるく立ち回る人が出てこない。そういう意味での辛さやストレスはゼロ。(そんな映画ある?)
そこだけで言えばとても自分向きなのだけど、いやいや、降りかかる現実はこのタフな人達を、これでもか、これでもかと襲い続ける。あまりの壮絶さにもう声が出なくなる。
描写がとんでもなくリアルで、観ている間「これどうやって撮ったんだろう…」という疑問が全然湧かなかった位。ドキュメンタリーとして観ていたのだろう。でもこのチャーター機には選手達の家族も乗っていて、その中での子どもたちの描写はほぼない。乗っていなかったのか、意図的なものなのか(なんにしてもここに子供が居るなんて、無理!)。
あまりに辛すぎて「ああこれは無理だ…」となったので、先に最後を観て、安心してから戻って再開した位だ笑。それ位、自分にとってはキツかった。
壮絶でリアル。アンデスの山中のシーンはその場にいるとしか思えず、映画館だったら凍えきっただろう。メイクも美術もすごい。
観終わった後に「これはメイキングを観ないとやってられない」と思ったら、Netflixにありました。
このメイキングがまたすごい。本編はあまりに辛すぎて泣くどころではない映画だったけど、メイキングで泣いた…。実際の当事者も何人か出演している。
かなり事実に寄せようとした作りらしく、キャストはほぼ全員が無名新人。オーディションの基準は「いかに本人に中身が近いか」だった。ちなみに皆ハンサムガイばっかりなんだよ。
過酷な山中ロケの実際。あの、悪夢に見そうな雪崩シーンが、どのように撮られたかも分かる。
監督J.A.バヨナがキャスト&スタッフを「良いモノを作る喜び」へと連れて行く、その手腕・人間力に感服する。
Netflixの財力なけりゃまー撮れない内容だけど、お金があるだけじゃとても無理、ってことも良く分かるメイキング。
本編とメイキング、セットで観るのがお薦めです。
(今年のアカデミーでは国際長編映画賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネート)
2024/04/08
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