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博物館学芸員レポート課題【博物館資料論第二分冊】2021年度提出

略題「写真・画像資料の活用」
課題「写真・画像資料の活用について、具体例を示しながら述べよ。」

範囲:指定文献 佐々木利和、湯山賢一『改訂新版 博物館資料論』、一般財団法人 放送大学教育復興会、2012年 第1冊
様式:横書き 2,000~2,500字程度

序論(第一段落)までを無料で公開しております。
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 例えば、ある時代の人々の暮らしの歴史を振り返るというテーマで展示を行うとする。そんな時、活用する資料の種類には様々あるだろう。発掘された土器や銅鐸、当時の人々が使用していた道具や日用品、当時の書物や古文書類、遺跡や美術・芸術品、当時撮影された写真など、様々な視点から資料を収集し、そしてその資料に内包されている情報を深く見出し、活用していく。特に、歴史をテーマとする展示を行う展覧会や博物館においては、写真という資料は当時の様子や事実を伝えていく資料として効果的だ。今回、2021年10月3日に、東京都千代田区にある昭和館を見学してきた。この博物館は、国民が経験した戦中、戦後の国民生活に係る資料を展示し、後世代にその労苦を伝えるといった趣旨で学習の場を提供する国立の博物館だ。6、7階にある常設展示室では、昭和10年頃から昭和30年頃までの国民生活を伝える実物資料を展示している。昭和初期から中期当時の実物資料がチャプターの流れに沿って豊富に展示されていることに加えて、当時撮影された写真の展示も豊富にあり、それらのほとんどが拡大印刷されパネル展示されている。写真がいかに当時の記憶を掘り起こしているか、を実感する展示内容だった。そして、写真資料の存在は、実物資料や説明パネルだけでは伝えられない情報を補う存在としても重要な存在であると感じた。

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