右の口角が上がるときの彼女は

朝から取材を2件すませてから、戸田真琴さんを訪ねて所属事務所へ。お会いするのは2月末の写真展のとき以来。

その間にも、ピンク映画大賞の女優賞を取られたり、DMMアワードのノミネートがあったり、She isへのコラム寄稿があったり……そのほか、水面下でも動きが様々あるようで、まさに「精力的」という感じ。

戸田真琴さんは、相変わらず自分のファンの素敵さ、かっこよさを語って聞かせてくれて、ぼくは、うんうん、と頷きながら、なぜだかこちらまで誇らしい気持ちになる。ぼくが少しでも関わる仕事のことで、その結びつきがさらに太く、あたたかいものになったらいいなぁ、とおもう。

ぼくは戸田真琴さんが、自分の考えや思いを話すときに、右の口角がキュッと上がる時が好きで、「あ、いま心から言葉が流れてきてる」と勝手に感じるのだ。

コラムを読んでから実際にお話をしてみると、あの文章が彼女の指先から紡がれてきたことに、疑いの気持ちはわかない。毎回、何かしらのテーマなのか、話題なのかで言葉を交わすたびに「嬉しいなぁ」と思えるのは、すごくありがたくて豊かなことだ。

ぼくはKAI-YOUでの映画コラムが昨年末で幕引きしてからというもの、月に一度の、居住まいを正して心から文章と立ち向かう、あのヒリヒリするような時間が恋しくて仕方ないんです。というようなことを、臆面もなく本人に伝えていた。

戸田真琴さんも「ロス」があると言ってくれて、また違う形でご一緒しましょう、と新たに進めることになった。ぼくらも形にできればと思っているし、さらに彼女はどんどん前進する。まだまだ、まだまだ、戸田真琴さんの言葉と、彼女の希望にたゆたっていたい。

夜は、とある広告案件の打ち上げを五反田で。コワーキングスナックに寄ると見知った顔もいて、つい長居をする。夜中に恋人が訪ねてきてくれて、つかの間だけど一緒に過ごす。朝、家を出る恋人を、惜しみつつ布団から見送る。体力は尽きかけているけれど、心がとにかく元気になっていくような一日だった。

#日記 #コラム #エッセイ

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