徳島で全裸にグッドフェローズを

東京出身のぼくは、徳島の東横インのベッドで腹ばいになって、今これを書いている。全裸で。

全裸なのは何かイイコトがあったわけではなくて、部屋がちょっと暑いのと、裸でシーツに触れるのが好きだからだ。一人用の部屋だから何をしてもいいだろうという開放感を表現する手段でもある。ホテルのさらさらしたシーツと裸をあわせるのは、人生のなかでも結構に上級な喜びのひとつだとおもう。恋人がいれば、なお最高だけれど。

昨日から徳島に来ている。この時期は「マチ★アソビ」というイベントが開催されていて、アニメやエンタメ系の出展者が多く集う。とても賑わっていて、ホテルの予約もおぼつかないほど。

ただし、マチ★アソビは明日の5月4日からだ。ぼくは2日に来て、4日に帰る。なぜ今いるのか。酔ってたからだ。理由なんてない。たしか、仲間内で飲んでいる時にマチ★アソビの話になって、「行きますよー!飛行機だけ取っちゃいますわ!」って、その場で格安航空券を押さえたのは覚えているのだけど。そんな日もある。

というより、目的もないのに飛行機に乗ったのは初めてで、実は案外、これが楽しい。何にも期待しないから、何か小さなことがあるだけで妙に嬉しい。昨日はPodcast仲間のエドが徳島入りしたので、ふたりで夜中までホテルの部屋で酒を飲んでTik Tokを撮って遊んだりしていた。今日は昼から、徳島駅からすこし離れた日帰り温泉「あらたえの湯」へ。ココも良かった。

予約したのは航空券だけで、マチ★アソビでホテルも全く空きがなく、宿無しも辞さないところだったけれど、幸いにキャンセル分に滑り込めたらしく、こうして東横インで気ままに過ごしている。Amazonプライムで、ずっと観たかった映画『グッドフェローズ』を最後まで楽しんだところ。

『グッドフェローズ』が観たかったのは、HEAPSmagazineで、ぼくが大好きなライターのRisa Akitaさんが書いていた記事の影響。

はちゃめちゃに面白かったし、なにもしていない全裸の東横イン男であってもどこか心が強くなるというか、しゃんとするような気持ちになった。ギャングスターにはとてもなれる気はしないけれど。

そして、自分が過去にしてきたことがめぐりめぐって今の自分に何かを及ぼすというのは、『グッドフェローズ』でトミーが撃ち殺されるシーンを見れば、嫌というほど身に沁みる。トミー。ひどいやつだけど、あぁ、トミー。

手付かずの仕事はまだあるのだけど、今はこの東横インの時間を存分に楽しみたくて、ぼくはまだ裸のままで、この日記を書き始めた。そろそろ服を着て、何か食事をとろうとおもう。腹が減った。酒が飲みたい。誰も知らない地方のビジネスホテルが、こんなに心地よいなんて。ワイワイとイベントを楽しむのもきっとよかっただろうけど、こんな休みもたまには悪くない。

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