六度寝の朝にトリュフバターごはんを

4月が始まったけれど4月の趣はフリーランスには特に関係がない、というのが今年の発見だった。Twitterのタイムラインで、やたらと「新社会人へ」的なコメントがあふれてるなぁ、みんなどうしたんだろう……と不思議がって、あ、4月か、と気づく。

日曜日の昼間は「若柳宮音筆の会」第2講で、インタビューの奥深さをまだまだ知って、うんうんと唸っていた。この時の話は、またあらためて音声配信の『編集したい系の僕らに』で語りあうつもりです。次回のゲストさんも現地でオファーして決まり。よかった。

会場の原宿から池袋へ移動して、恋人と待ち合わせ。池袋西武百貨店で開催中の「春の北海道うまいもの会」をのぞきにいく。

催事場にひしめく北の大地の恵みたち。かにウニいくら、バターにワイン、海鮮海鮮新鮮野菜。はぁはぁ。見ているだけで喉が鳴る。

ぐるりとめぐって、トリュフ味のバター、生でも食べられるベーコン、池田町民用のロゼワイン、お値打ち海鮮丼、たこザンギにカニシュウマイ、鮭といくらの親子漬け……それから、それから、と、目移りしながらアレコレ買ってしまう。

どの塩辛も、どのいくらも、どのチーズも、それぞれに驚くほど違いがあると思うのだけれど、ぼくらの素人目にはそれがすぐにわからないというのは、なんとも難しい商材だなと思う。高いものをみなさん気前よく試食させてくれるけれど、それ以外にはいいようがないのだろう。だから、ブランディングとか、事前の情報とか、あらかじめ「見る」以外のインプットがたぶん必要で、それが瞬間的に望めないときも含めてパッケージが機能するのかもしれない。

ベーコンは気のいいおじさんがホイホイとおまけしてくれるので、なんだかどんどんお得な気持ちになって、たしかに味も良かったので、うっかり。あとでちゃんとお店の名前をメモしておこう。

このベーコンはしっかり手順を踏んで保存すると、1年間は持つそうだ。清く正しく保存食って感じだ。家に帰って少し焼いてみたら、無限に出てくるのではというくらいにキレイな脂が満ちて、あわてて冷蔵庫のほうれん草に吸わせて、たっぷりのほうれん草ベーコンができあがる、も、ぺろり。参りました。

ぼくはここ最近の疲れと、土曜日の長丁場がたたったのか、恋人はたっぷり甘えさせてくれ、ありがたく、ずうっと、寝る。次の日も昼すぎまで寝る。二度寝どころか五度寝、六度寝をして、恋人と約束していた買い物の予定を飛ばしてしまう。恋人は不平もいわずに横で一緒に寝ていて、ぼくが起き出すのに合わせて目をさまし、何事かに付き合ってくれる。

「行けなかった買い物にまた行くっていう約束ができるからいいよね」と恋人は言い、ぼくはその考えをすごく気に入り、せめてものと思って炊飯土鍋でちゃんと白飯を炊き、味噌汁やらベーコンエッグやらをこさえて、良い感じの朝ごはん(昼すぎだけど)をつくる。

トリュフバターをのせて、醤油を2滴。このバターごはんが、絶品。


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