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ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言(書評と感想まとめ)

目が醒めるような思いをした。

このくだり。

わざわざ新商品や新しいサービスを世にリリースするのならば、失敗したら超大ゴケ、成功すれば最低 10 年は人々の記憶に残るような大バクチをしたほうが、夢とロマンがあふれるではないか。  
誰にでもできる仕事でお茶を濁し、月々のサラリーをもらって良しとするつまらない社畜人生を歩んでいては一生、ブランド人への道は開けない。  どうせ働くのなら、人々の記憶に爪痕を残し、ブランド人として伝説を作ってみないか。もちろん利益は大切だ。しかし目の前の小さな小銭を取りに行くことに何の意味がある。  
どうせなら世界を驚かそう。顧客を喜ばそう。

40歳目前のおっさんになって、小さくまとまりそうになってた。

目の前の小さな小銭を取りに行きそうになってた。

もう行動するしかない!

本書を読んだ夜、モチベーションは極限まで高まっていた。

自己啓発本のメッセージはつまるところ「やれ!」

本書のみならず、自己啓発本は、全て「行動しろ!」と書いてある。手を変え、品を変え、アジってくる。

本書は特に良質で、先程紹介した以外にも、モチベーションの上がる記述がたくさんある。

人はどうなるのかわからない予測不能なことにワクワクする。どんなに優秀であっても予定調和で予測可能の安定した人生を送っている限りブランド人への道は拓けないのだ。安く定まると書いて安定と読む。

安く定まるなんて嫌だ!

とりわけクリエイティブな頭脳労働は、心の底から「この仕事は自分事だ」と腑に落ちていなければ、成果は出るはずもない。  
納得できないことがあれば、メールでもLINEでも対面でもいいから、直接意見をぶつけて反論する。上司のミスや駄目な部分に明るくツッコミを入れる。こういう環境でなくては自由で柔軟な発想は出てこない。面従腹背こそ最大のガンだ。

その通り!面従腹背なんて、ガンや!

この本を読んでいる君が今サラリーマンをやっているのならば、「会社の持っている資産を利用させてもらいながら、自分なら勝てるはず! と思うギャンブルに挑む」という最高すぎる特権を生かさない手はない。

たしかに!もう、やるしか無い!

ビジネスは最高のエンターテイメントであり、最高のチームスポーツだ! 失敗しても死にはしない! 
勝つか負けるかわからないギリギリの戦いに今すぐ飛びこんでしまえ!

そうだ!飛び込もう!!

↑まだ読んでない人は読んだほうがよい!

それでも、なぜ、行動できないのか?

ここまで熱くなっても、勢いで意識高いツイートを2~3するくらいで、その日は寝てしまう。

翌日、仕事に戻って、現実のタスクに追われるうちに、すっかり小さくまとまったおっさんに戻ってしまっている自分がいる。

「おっさん」だから、行動しないわけでもない。

おっさんになったことで、無謀な行動に出なくはなったものの、2~3日くらいやる気にみなぎった後に、日常に戻っていくのは若いときからそんなに変わらない。

「すべての行動に目的がある」と、アドラーが言うように、行動を起こさない、という行動を選ぶという行動に隠された目的があるはず。

自分の目的は何なのか?なぜ行動できないのか?

なぜ、ハッタリをかますことに躊躇してしまうのか?

本書では、「ハッタリをかませ。」と言っている。

目の前のチャンスに誰よりも早く「はい!」と名乗りをあげる。  実際にどう動くかは、それから考え始めたって遅くはない。早く名乗りをあげすぎたせいで赤っ恥をかいたところで、失うものはたいしてない。まずは名乗りをあげることでしか、君がブランド人への一歩を踏み出すことはできないのだ。  
ハッタリをかませ。全てはそこからはじまる。
若い君がたった一人で奮闘するだけでは、プロジェクトのスケールはなかなか大きくならない。君の名も轟かない。  
だったら上司を巻き添えにし、共犯者にしてしまおう。思い付きで始まったプロジェクトも、周りを巻き込むことによって社運を賭けた大プロジェクトに発展するのだ。  
チマチマした仕事をしていたって仕方がない。ブランド人の仲間入りを果たすために、ときには上司に「口八丁」のハッタリをかますことだって必要になる。

ハッタリをかまして、機会をつかみ、周囲を巻き込め、と言っている。

認識こそすべて

ハッタリが有効なのは、「認識こそすべて」だから。

このような話をすると、「そんなものは虚像だ」というようなことを言う人がいる。  
では虚像とはいったい何なのだろうか。  
マーケティングの世界では〝Perception is Everything〟という有名な言葉がある。認識こそ全てだ。  
何が虚なのか、何が実なのかなんてはっきりしていない。  
むしろハッタリをかましているうちに、ハッタリが本物に様変わりしてしまうのだ。そう、虚と実はお互いに追いかけっこをしているものなのだ。

認識こそすべて、最近の流行りで言うと「錯覚資産」みたいな。

テレビのバラエティ番組で「芸能人格付けチェック」というゲームを見たことがある読者も多いと思う。  
中身がどちらのワインなのか秘密にしたうえで、1本何十万円もするロマネ・コンティとコンビニの安ワインを飲み比べてもらう。  
普段グルメを気取っている芸能人が、1本800円の安ワインのほうがうまいと判断してしまったりするから笑える。  
ワインの味なんて、ちゃんとわかっている人はほとんどいないに等しいのだろう。  
ではなぜ人は、何十万円も払ってでも1本のワインを飲みたいと思うのだろう。そのワインに強いブランド力があるからだ。ストーリーがあるからだ。

これ。

名だたるグルメや経営者、芸能人が「このワインはすごい!」と褒めちぎるから、ロマネ・コンティはコンビニワインの100倍どころか1000倍もの価値をもつに至った。現に 20 年前、 30 年前と比べて、ロマネ・コンティの値段は信じられないほど膨れ上がっている

錯覚資産も含めた、相手に知覚された認識における価値が全てであり、真実なんてものは、もともと無い。

勝つか負けるか、よりも、よい手札を作って喜ぶ「こどものポーカー」

本書では、何度となく、他者目線の重要性を説いている。

大切なのは他者からの目線だ。君の発信がいつ、誰に、どのように受け取られるか。それがどんな価値につながるか。君にしか出せない価値があるか。手に取るようにフォロワーの気持ちを想像しなければならない。

この「他者目線」、最近、少しは意識できるようになったが、そっちが勝負のメインということに、長年気づいていなかった。子供だった。

「子供のポーカー」のように、自分の手札を良くすることばかりにフォーカスしてしまう。

ポーカーは、本来、駆け引きのゲームで、手札が「ブタ」でも相手が降りれば勝ち。

それを、ズルい、と思うこどものように、駆け引きで勝っていく人を「ずるい」と思いながら、必死に手札を良くすることばかり考えてきた。

他者目線で考えられるようになればなるほど、自分の手札がどの程度なのかわかってきてしまう

手札が良くなってから勝負!と思っていた自分は、他者目線を手に入れたことで、今度は、「どうやら、自分の手札はせいぜいツーペア。」ということが、わかってしまうようになる。

そうして、ハッタリをかませなくなってしまっている気がする。

若い時は、そもそもハッタリと駆け引きの勝負であることを知らずに勝負できていなかったし、歳をとって他者目線がつくと、身の程を知り、勝負ができない、という感じ。

ハッタリとウソの違いは、「辻褄を合わせる努力」

ただ、騙し通せば勝てるポーカーと、実際のビジネスが違うのは、勝負はそれから、ということ。

「もしあなたが十分に大きな噓を頻繁に繰り返せば、人々は最後にはその噓を信じるだろう」  まずは虚像でも何でもいいから自分をステージに上げろ! そしてそこから必死に辻褄を合わせろ。
アウトプットをしなければいけない状況に追い込まれれば、人はそのレベルに追いつこうと、学び、成長するものだ。 「人前に出て話をするのは十分にインプットしてからだ」なんて回りくどいことは考えないでほしい。

ハッタリをかまして良いのは、必死に辻褄を合わせようと、圧倒的努力できる人だけ、と書いてある。

ハッタリは信用の借金

どうやら、ハッタリは「信用の前借り」みたいなもので、その借金(≒ハッタリで得られた機会)を元手に、借りた金額以上に稼いで(圧倒的な努力で実力をともなわせて)、利子を付けて返さなければいけないもの。

こう考えると、辻褄があう。コツコツためてから、自己資本で勝負しようとすると時間がかかりすぎて、機会を逃してしまう。だから、他人資本でレバレッジをかけて勝負したほうが良い、という例えだと、思うと、適切な判断ができそうだ。

逆に、ハッタリで機会を得ても、期待に答えられなければ(≒返済できなければ)信用を失い、ブラックリストに載るだけ。

借金は、苦しいし、怖い。

自分がハッタリをかませないのは、借金が苦手なのと同じなのかもしれない。リスクを取ってレバレッジかける、という行為が苦手。プレッシャーでメンタル病んてしまう。

本書でも、「サラリーマンが故に、金銭的なリスクはない」と説く一方で、根拠のない自己肯定感やメンタルタフネスを身につける必要性も説いている。

罵倒や炎上でメンタルを病むことなく、それどころか罵倒や炎上をガソリンに変えてエンジンを吹かし前に進み続けるためには、根拠のない自己肯定感、突き抜けたメンタルタフネスを身につけるしかない。
我々ツイッタラーも、練習や基礎訓練もなしにツイッター上でプロレスをやろうと思ったらケガをする。受け身を何度も取って鋼の肉体を手に入れろ。
ツイッター上の自分は、生身の自分という人間のマリオネットであり、コピーロボットだと考えればいい。コピーロボットがどれだけボコボコに刺され傷だらけになろうが、僕という実体をともなった人間は、痛くも痒くもない。  
それくらい突き放してしまえば、SNSで叩かれようが罵声を浴びようが気にならない。リプライがまったく来なくなり、何を言っても座布団もブーイングももらえない。そういう状態のほうがよほど怖くなる。  マザー・テレサではないが、愛情の反対は憎しみではなく、無関心だ。

結構しんどい。頭でわかっていても、心がついていかない。

自分にとって「勝つ」ってどういう状態?何のゲームを戦っているのか?

結局、借金背負ってまで、勝負したいか?ということに尽きる。

こうやって、皮をむいてむいて、余計なアカを全部そぎ落としたときに何が残るのか。内面、中核の部分に、マグマのように燃えたぎるパッション(情熱)が見当たらない人が実はけっこう多い。  
泉のようにこんこんと湧き出るパッションをもたない人が、ブランド人になれるはずもない。

結局はそこで。

「世の人は 我を何とも言わば言え 我が成す事は 我のみぞ知る」。幕末最高のブランド人である坂本龍馬の言葉だ。 「世間が何と言おうと、オレの意見はこうだ!」と恐れず表明することからブランド人への道は拓ける。

強い思いを持っているかどうか。

君の仕事の本当のお客様は誰なのか? 
他人や社会とどのような関わりをもっているのか。どうすれば、君の仕事がお客様とその集合体としての社会を盛りたてることができるのか。大義や志はそこにあるか?

そう、大義や志を問われている。

「クビになったってかまわない」というくらいに腹をくくれば、その覚悟が周囲に伝わる。目の中に炎を灯して、ビジョンや大義を語ればその熱は伝播していく。  
熱狂を生み、人を巻き込むことができるようになれば、ブランド人として一流だ。

ビジョンと大義。

人間としてのおもしろさと凄み、野望と大義、そして戦闘力を毎日研ぎ澄ましているから、彼らはビジネスという「命を失う心配のない戦」で次々と太刀を振り下ろし、ものすごい矢を放ち、 大戦 をしかけている。

野望と大義。

結局のところ、ここがすべての起点。どういう人生を送りたいのか。人生で何を成したいのか、どう在りたいのか。すべての源泉はここにある。

理念なき起業家と同じ問題。

いろいろ考えるけど、いつもここにたどり着く。

お前のミッションは何なのか?何を大義とし、どういう志を持っているのか?そんなのあんまりない。

よく「起業が目的だと意味がない、起業は手段のはずだ」という話があるけど、あれと一緒。

今の自分は、ちょっとだけ負けず嫌いで、成長しないと将来不安で、人の役に立てれば嬉しくて、まあ不自由しない程度にはお金あったほうが良くて、でもあんまり無理はしたくない、そんな感じ。

その上で、目先の仕事に真摯に向き合って、地道にコツコツと積み重ねていくスタイルが自分にはあっているのではないかと。



(余談)ちなみに、、

正直に言うと、今週は「ジョブ理論」で書こうと思って格闘したのだけど、どうにもこうにも手に負えず、、

気晴らしに、Kindle Unlimitedから、気軽に読めそうなビジネス本を物色したところ、アマゾン酷評されすぎてて買うの敬遠してた本書が読み放題対象になっているのを見つけて一気読みして一気書きした次第。

刺激がたくさんもらえるので、酷評は気にせず、読んでない人はぜひ読んでください。

※ちなみにマーケ関連の仕事をしているなら「Kindle Unlimited」は登録しない理由がないと思う。去年買った本も結構な数が数カ月後に読み放題に。

ジョブ理論」についても、書きたいことがあるので、いつか必ず触れたい。

(最後に)このnoteについて

その週に気づいたことや読んだ本などをまとめていく週報note。
毎週書く!という強制力で文章を書くリハビリを進めていくのが目的。

※今回は、1月13日(日)から1月19日(土)分です。





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