Re:ゼロから始める医学部再受験体験記(後編)

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 前回の体験記前編をご覧いただけた方もそうでない方もこんにちは、死に戻り系再受験生こと支倉(でじきゅー@医学部再受験用垢)です。
前述の通り再受験1年目は失敗し、気持ちは一浪、強くてニューゲーム状態で再受験2年目に突入することになりました。再受験2年目の私は既に何度も繰り返したほむらちゃんや岡部倫太郎のような覚悟を持って走り始めたのです(おこがましい)。

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私が失敗した要因は大きくは以下の4つであったと分析しました。

・合格に必要な学力と自分の学力の差を認識できていなかった

・センター試験を甘くみていた

・基礎が不安定であった

・数学の学力が低すぎた

まず、合格に必要な学力と自分の学力の差を客観的に分析することは、出題範囲を一通り学習し、過去問と合格ボーダー点に向き合うことで初めてまともに考えられるようになってくると思います。そういった意味では1年目に最後まであがいた経験は決して無駄ではなかったと思います。

センター対策については、文系科目はもとより特に数学などは二次数学とは傾向が全く違うので、センター対策のための時間を割く必要があると感じました。

基礎については、地方医程度であれば合格点をとるために必ずしも難易度の高い問題で得点する必要はないことに気づき、限られた勉強時間と自分の能力とを勘案して応用問題を解くための勉強はばっさりと切り捨てることとしました。

最後に数学について、私は医学部再受験に取り組むまで数学に対する苦手意識はまったくありませんでした。というのも中学数学では勉強せずともトップクラスの成績を残せていたからです。しかし、1年間高校数学の勉強をしたことで私の数学の才能は極めて平凡であり、他の科目と比較すると点が伸びにくい=苦手科目と認識するに至りました。

そうした反省を経て、私は螢雪手帳を引っさげ基礎問題集と格闘する日々が始まります。
2年目の目標・戦略は以下の3つ。

・センター90%

・英語と理科を確実な得点源とする

・数学は合格者平均点を目標とする

1年目は英語に時間をあまり費やしていなかったのですが、2年目は英語に費やす時間を大幅に増やしました。
また、英作文の対策が不十分だったため、Z会の応用英作文講座をとって毎月1回の添削をペースメーカーとして利用することにしました。
4月から9月頃までの各科目への時間配分は
英語:数学:物理:化学 = 3 : 3 : 2 : 2
1日の平均勉強時間は13時間程度。相変わらずバスで有料自習室へ通う毎日です。
ただ、金銭的にかなりきつくなってきたので有料自習室の近くにあった塾で事務員としてのバイトをはじめました。毎月30時間程度の勤務だったので大きな負担にはならず、勉強の休憩だと思って取り組んでいました。

晩御飯を食べながら観るアニメ1本と、休憩時に眺めるツイッター以外には基本的に手を出さず、取り憑かれたように勉強に没頭しました。(たまに病んでツイ消ししてました。)

そうこうしているうちに段々と英作文もかけるようになり、理科の典型問題は網羅できてきた手応えを感じます。
数学では基礎問題集と並行してツイッター上で「スパもん」さんが1日1題出題して下さっていた通称「スパ問」をこそこそと解く習慣がついていました。
スパ問のおかげでスパ問界隈の再受験生とゆるいつながりができたのは精神的にも良い影響がありました。孤独感もちょっぴり低減できたかもしれません。

また、3ヶ月に一度くらいのペースで東京へ行き友人とほにゃほにゃ遊んで意識的にストレスを発散する習慣もついていました。
最後に東京へ行ったのは9月上旬のアニメロサマーライブのときでしたが、およそ10年前に一世を風靡した「放課後ティータイム(けいおん)」の生ライブを観ることができて人生で最高レベルに楽しかった思い出があります。
振り返ってみるとこのようにストレス発散のためにたまに東京へ赴いていたのは良い選択だったと思います。平日にもかかわらず遊びに付き合ってくれた友人たちには感謝しかありません。

9月頃からは徐々に国語や社会の勉強を増やしていき、センタープレと第三回全統記述模試を受けました。
結果は以下の通り。

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全統記述の数学は、言い訳無用とは言うものの個人的にはかなり下振れたと分析できていたので、全体的に良いペースで学力が上がってきているとポジティブに受け止めることができました。
前年度からの成長が実感できてとても嬉しかった記憶があります。(ようやくE判定の呪縛から逃れられました。)

模試の結果も考慮して志望校は札幌医科大学と◯◯◯◯大学に絞り込みました。(◯◯◯◯大学は明言しないので察してもそっとしておいてください笑)
2年目で進路を決めたい思いが強かったため一般的な私立大学も最後の最後まで出願するか悩んだのですが、流石に学費にチキって上記の2校のみに絞って対策することにしました。
◯◯◯◯大学は学費減免の縛りが比較的緩く、かつ成績に応じた免除制度も整っていたので候補としました。

センタープレの後からはセンター対策とスパ問に全振りしてセンター90%を本気で狙いに行きました。
古文漢文現社数学に大半の時間を費やし、センター直前期には英語満点を狙うために発音アクセントもガチりました。
あと、数学ⅡBは選択で統計をとることにしました。理由は数列・ベクトルよりも短時間で満点を狙えたからです。

1年目と比べると圧倒的に準備万端、根拠のある少々の自信を引っさげてセンター会場へ乗り込みます。
その結果が以下の通り。

現社82
国語152
英語178
リス44
数1A85
数2b88
物理85
化学85

得点率約84%

全体90%どころか1科目も90%超えていないというまさかの展開にかなりガックリきました。
1日目の文系科目は手応え十分だったはずなのですが、1年目より悪いという悲惨さ。なんてこったい。
2日目は手応え通りの結果でしたが、決して満足できる点数ではありませんでした。
しかし、今年のセンターは平均点が例年よりも2%弱下がるほどの難化傾向であるとの予備校情報に救われ、なおかつ志望校のボーダーには届いていたので「2次で普通にやれば受かる!」とすんなり切り替えることができました。

センター後は◯◯◯◯大学の赤本とひたすらにらめっこし、英語との相性の良さににんまりしつつも物理が解けなさすぎてめそめそする日々でした。
綿密な過去問研究の末にたどり着いた「物理捨て化学振り」という究極の作戦が功を奏し、◯◯◯◯大学の2次試験は無事突破します。
こうしてある程度の余裕を持って国公立前期の札幌に乗り込むのです。

しかし、結果は不合格。30〜50文字で要約せよという英語のとある問題で70字以上は書いてしまったというヤバめのケアレスミスをしたことに加えて、数学で大幅なビハインドをとってしまったことが敗因だったと思います。
やはり、数学が最後まで足を引っ張ってしまう結果となり、数学に関してはまだまだ実力が不足していたと実感しました。

◯◯◯◯大学はその後の小論文・面接試験をこれ以上ないほどの手応えで終えることができ、正規合格を頂くことができました。
というわけで2020年4月から◯◯◯◯大学に進学することになりました。

おわりに

札幌医科大学には及びませんでしたが、2年目の私の受験勉強に対する取り組み方にはある程度の満足感があります。
◯◯◯◯大学も志望度が非常に高かったため、4月から医学生としてそこで学べることにとてもワクワクしています。

医学部再受験は難しいという声がありますが、十分な学力がない状態から勉強を始める人にとってはやはり本当に難しい挑戦だと思います。仕事をしながらだと時間が取れず、だからといって仕事をやめて勉強に取り組むのもリスクがありすぎて精神的にきつくなってきます。
今回私が合格できたのには少なからず運の要素もありました。もしも苦手な分野がでていたら、もしも2択を尽く外していたら、そう考えるとゾッとします。
2年間ツイッターをみてきて、再受験から手を引いていく人を何人も見てきました。陰からひっそりと応援していた人がある日消えているのに気づくと、いつか自分もそうなってしまうのではないかと不安に襲われることもありました。
再受験に取り組んでいる方々が抱くであろう不安とまともに向き合ってきたからこそ、今現在、そしてこれから再受験に真面目に取り組む方々を心の底から応援しています。


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追記

同じような時期に受験勉強をしていて、同じようにスパ問を解いていて、同じように今年受かった「たーくん」の体験記を紹介します。

アラサー文系たーくんの医学部再受験体験記

なんとたまたま同じときに熊本大学を受験しており、しかもセンター得点率もお互い77%で一致していたという奇跡の存在です笑



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