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不定期連載「俺が古本屋の店員だった話」3 ブックオフとの違い

前回の話はこちら

今日はちょっと違う視点で、ブックオフの話をするぞ!

本を売るなら本当にブックオフか?

古本屋の中でも漫画やゲームが中心の、いわゆる新古書店と分類される俺の業界において外せないのが当然業界最大手のブックオフ。利用した事がある人も多いだろう。ブックオフ以外の新古書店が基本的にブックオフをどう思っているか?

正直、競合他社というには相手が巨大過ぎた。知名度という点では圧倒的であり、決して渡り合える相手ではなかった。

「ヒナまつり」15巻より


店の広さ、明るさ、商品数の多さ、スタッフの数、機材等そもそも巨大資本。はっきり言って対抗できる点などほとんどない。しかし新古書店にとって、ブックオフが店の近くにある事は結構なメリットであった。それは何故か?

買取の安さ

ブックオフの売りでもあり、弱点でもあるのはここに尽きる。今はある程度変わったかもしれないが、当時のブックオフの査定というのは「本の状態」が正義だ。もちろんある程度の商品の価値と言うものを加味しているのはあるだろうが、本の状態が良い物は高く、悪い物は安く(もしくは買い取らない)買う。

「Q.E.D. IFF -証明終了-」5巻より

とは言え、ブックオフの買取上限額は圧倒的に安かった。俺がブックオフで働いていた友人に聞いた話では漫画だと1番高くて1冊80円、ハードカバーの実用書や小説で100円とのことだった。
少なからず俺のいた店では漫画は高ければ1冊250円は出して買取していたし(2005年当時ならARIAとか蟲師とかがそんくらいだったなぁ)、ハードカバー本は話題の物だったら500円くらいは出していたからその価格比はとんでもない。俗にいうブックオフの「買取が安い」という感覚は、あながち間違いではないと思う。

「たのしいたのしいぼくらののみかい」1巻より
ブックオフで本売ってた人、残念でした!

ただ少しブックオフの事を擁護するのであれば、明確な査定基準があり、かつスタッフ全員がそれに基づいてできる指標(要するにマニュアル)があるわけだからそれはそれで正しいと思う。スタッフが買取を覚えるまでには結構時間がかかるし、下手すると1年経っても怪しい買取をするスタッフは存在する。つまり、買取は店ごと、下手したら人によってすらバラつきがある!

「チェンソーマン」2巻より

当然ちゃ当然、店により本の価値は変わる。その店の在庫や、売れ筋によって変わる。そこは2キロ離れれば変わるなんて言われる世界だ。もちろんある程度の売れ筋は存在するが、丸ごと同じ店なんて存在しないのだから。

買取の差で固定客がつく

1番シンプルなのは、ブックオフで査定してもらいこっちに持ってきて貰えると最高だ。モノにもよるが、90%以上「え、そんなに高いんですか!」とびっくりしてもらえるから。あとブックオフと比べて買い取れない本の基準も緩いので、そういう点でも有利だった。本の基本は「読めるか、読めないか」。基本1発アウトなのは水濡れや書き込みがあるモノくらいで、古い本には多少のシミがあるのなんかは当たり前(ま、この辺は人によっての感覚でもあるが)。我々が扱っているのは基本的に「古本」なのだから、見なければ行けないのはその物の価値なのだというのを俺は学んだ。

例えばジョジョ全巻を持ち込んだ人(当時はそれなりに在庫があったので、中川翔子氏プッシュ後のような品薄状態ではなかった)が全巻揃えて7000円という値段を提示したところ、「ブックオフでは半分くらい買い取れないって言われたのに!」と大層びっくりしていた。

ブックオフは買取が安い代わりに、本の値段も安めなのでそれはそれでまぁバランスは取れている。こっちはブックオフより価格は少し高いかもしれないが、商品を見て値付けをしている。なので、買取で持ち込んだ人がその値段で納得して買ってくれるようになるのだ。

「らーめん再遊記」1巻より

もちろん安く買いたい、という人もいるだろうからその辺はバランス。この辺もおいおい話していこうと思うのでよろしく!

当時の漫画の思い出「ブラックラグーン」

アニメがやるまでは、そこまで売れ筋というわけではなかった。連載ペースが遅い漫画は在庫がダブつきがちだが、俺の直感で「ブラックラグーンはいくらあっても捌ける!」という自信があった。というか、まぁ単に好きだっただけのラッキーパンチだったけど!

「らーめん再遊記」1巻より

次回へ続く!

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