前回、「痩せるためのカロリー計算」の記事を掲載したところ、糖質についてのご質問をいただいたので、今日は「糖質はガソリン」というお話です。
まずは栄養についての基礎的なお話をします。
5大栄養素は、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルです。
タンパク質は、心と体を作る材料になります。ビタミンとミネラルは代謝を助ける働きをします。
体を動かすエネルギーとなるのは、脂質と炭水化物です。
脂質は、エネルギー源となるだけではなく、細胞膜やホルモンの材料になったり、炎症を抑えるといった様々な働きがあり、なくてはならない栄養素です。
糖質は炭水化物の1部です。炭水化物のうち、体内で分解・吸収され、エネルギーとして使われるものが糖質です。
炭水化物には、エネルギーになる糖質と食物繊維が含まれています。
人を車に例えると糖質はガソリンです。
ガソリンタンクの容量は決まっています。人間も体内に1200キロカロリー程度しか貯めることができません。
一方、脂質は脂肪細胞として、体内にたくさん貯めることができます。
車のガソリンは、タンクから溢れると大変なことになってしまいますよね。
人の体も、糖質は使う分だけあればいいんです。
使われなくて、余った糖質は脂質として体内に蓄積されます。
体をよく動かす人は、たくさん糖質をとってもエネルギーとして消費することができます。
しかし、あまり運動しない人や、日常的な身体活動量が少ない人は、糖質を取りすぎると、脂肪として体内に蓄えられてしまいます。
かつての日本人は、農作業など、体を動かすことで、多くのエネルギーを消費していました。
しかし、現在では体を動かすことが少なくなり、糖質が余ってしまう傾向にあります。
これまで、理想的なエネルギー産生栄養素バランスは、炭水化物が60%ほどとされてきましたが、最近では50から65%がおおまかな目安とされています。
厚生労働省の食事、バランスガイドでも、主食が最も多くの割合を占めていますが、こんなに糖質を消費する生活をしているかどうか疑問です。
どのくらい食べるかどのくらい動くかは人それぞれです。自分の食生活と運動習慣を見直して、バランスのとれた食事に心がけてください。
「食ったら動け! 動かないな、食うな。」です。
(飲んだら乗るな、乗るなら飲むな…みたいな)
糖質は体内で水分と結合しやすく、糖質1グラムあたり3グラムの水分を保持すると言われています。お砂糖は水を含むとずっしり重くなりますよね。そんな感じです。
糖質を摂りすぎた日は、体重が一時的に重くなる経験はありませんか?
同じカロリーを摂取しても、お肉を食べた日より、パンやご飯を食べた日の方が体重は一時的に増加します。
また、糖質制限をすると体重がすっと減少するのも、糖質といっしょに水分量が減るからです。体内の水分が減っているだけなんです。また、糖質摂取が多い方もむくみが出やすくなります。
でも、水分は大切なので、しっかり摂りましょう。糖質と結合しない水分は、速やかに排出されますので、水分を摂っただけで太ることはありません。
余った糖質は脂質なり、脂肪細胞として体に蓄えられます。脂肪細胞が多すぎると肥満になります。
脂肪細胞からは、悪玉ホルモンが放出され、高血圧や高脂血症、糖尿病の原因にもなります。
糖質を取りすぎることで、インシュリンが大量に分泌し、低血糖症や糖尿病の原因にもなります。また、自律神経失調症など、精神疾患につながる恐れがあります。
余った糖質がタンパク質と結合すると、劣化タンパク質となり、終末糖化産物(AGE’s)の生成が進みます。AGE’sが溜まると、脳や、血管、骨、腎臓、肝臓など、様々な病気の原因になるとも言われています。
では、糖質とどのように付き合ったらいいか?
動く分だけ、食べましょう。食べたら、動きましょう。
インシュリンの急上昇を抑えるためにも、食後30分以内に運動することがお勧めです。毎回そんなことはできないので、せめて1日のうちで食べた分はは働きましょう。
また、前日食べ過ぎたと思ったら、次の日はよく動いたり意識的に糖質を控えめな食事にするのもいいと思います。
自分のからだは自分でめんどう見てね。
からだのご様子をうかがって、大切に使ってあげてください。
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