作詩『赫い果実。』
もう悲しまないで
赫い実はもう捥ぎ取ったから。
悲しまないでくれ
青い春が透りすぎていくのを。
好きなものに名前をつけよう
頭のなかにあることば
声にならなくてもいいから
忘れてしまわぬように。
離れてく 手を
染みこんでいく 唇の赫い色に
風が戯れてる。
スカートが踊る。
踵が鳴る。
繰り返して、愛のうたを
うたうひとに
繰り返して、愛のひびを
うれうひとに
もう悲しまないで
赫い実は捥ぎ取ったから
悲しまないでくれ。
あいのなる世界まで
つれていくから。
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