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発達支援の研究教育センター開設に向けて

私たちは、中期経営計画の中で、将来「社内に発達支援の研究所」をつくることを目指しています。命名するとすれば「研究教育センター」といえるでしょうか。そこでの活動として、次のようなことを想定しています。

  • 大学や研究機関と発達支援について共同研究する。

  • 支援の体験や記録、科学的な検証を行なって書籍や論文で発表する。

  • 研究論文や書籍を通じて支援アプローチを世の中に提案する。

  • 社内や地域の支援者、保護者を教育する。

  • 有識者を集めてフォーラムや勉強会を行い知見をシェアする。

  • デジタルやICTを活用して子どもたちや支援者に役立つアプリやシステムを開発する。

その目的はもちろん、私たちが携わっている子どもたちや利用者さんの支援の質向上であり、未来の子どもたちや、私たちの様な支援者が役立てられるように経験や知見を継承することでもあります。簡単に成し得ることではないことはわかっています。でも、とてもワクワクします。

「研究教育センター」開設に向けて、今から少しずつ準備していきたいことがあります。それは、支援スタッフが発達支援に関わる学術論文に触れたり、専門団体に入会して知識を深めるということです。世界中の研究者が執筆した論文や文献は、子どもたちの発達について、時には主観的に、時には客観的に観察して私たちにさまざまなことを教えてくれます。また、学会や専門領域を深掘りする団体は、その領域の情報を共有したり、スキルを上げる研修を開催しています。

巨人の肩の上に立つ」という言葉があります。これは、先人が古来より積み上げてきた文献や先行研究の英知を「巨人」にたとえ、それらの積み重ねの上に新たな発見や融合を見つけていこうという意味ですが、大学や大学院で行われている研究は、ほとんどすべてが先行研究の上に成り立っていると言っても過言ではありません。

発達支援についても同様です。これまで先人の方々が現場の実践や研究、検証を重ねて、それを学会や論文などで発表し、それらを行政が取り入れたり、現場が取り入れることで現在の発達支援のひとつの形になっています。
皆さんは、検索エンジン「Google」に、論文専用のものがあるのをご存知だと思います。古いものから最新のものまで、論文や文献を調べるための専用検索エンジン「Google Scholar(scholarは学者)」ですが、そのトップページにも「巨人の肩の上に立つ」と表示されています。このGoogle Scholarで「発達支援」を検索すると13.8万件、「発達障害」は14.9万件、自閉症を意味する「autism」にいたっては116万件の論文や文献がヒットします。

現在、私は日本発達障害学会日本自閉症スペクトラム学会日本自閉症協会TEACCHプログラム研究会などに所属していますが、十分にその見識を活用できているとは到底言えません。私の視野はまだまだ狭いと感じています。今後は社員と一緒に、さらに知見を深めていきたいと思っています。

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