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手書き文字 11月25日

早朝、寝ぼけながら外を見ると雨…と思ったが、よーく目をこらすと粉雪が舞っていた。雪虫を見かけるようになると、雪が降り始めるのも間近と聞くが、まさに先日庭で見かけた雪虫は、今日のこの雪を知らせに来たということか。
11月に雪が降るだなんて、何十年も前には当たり前だったようだが、私が三春に移住をしてからこの8年間はなかったことだ。
本格的な冬の始まりを思うと、これから長く続く寒い季節に気分が沈みそうなものだが、雪の降り始めは犬か子どものようにどこか気持ちが浮足立っている自分がいる。心の中で「雪だ!雪だ!」などと何年経っても変わらずはしゃいでいる自分が可笑しい。
ま、今日の粉雪はほんの一瞬のあいさつ程度。気温は低いままだったが冬の青空が広がって、雪など幻のように風に吹かれてどこかへ消えてしまった。

朝からそんな寒さとなった今日は、よくいらして下さるお客さまが開店間もなくにご来店されて楽しいおしゃべり。そこで話題に出たのが音楽の話。
今はネットで音楽を聴いていると、AIさんが「あなたにおすすめの楽曲」というものを選んでくれる。それがあながちズレてもいなくて、なるほど「いい曲だなぁ」なんて思うことがある。知らないミュージシャンの音楽に出会うきっかけを作ってくれてもいて有難いとも思っている。
が、まだまだネットや携帯で検索することなどしていなかったひと昔前は、
タワーレコードなどに行って、好きな音楽のジャンルの中からCDのジャケ買いをしてみたり、視聴をしてみたり、shopの担当の方の手書きのPOPを頼りに、今月の1枚を選んだりしていましたよねと、私よりもひとまわり以上お若いお客さまとうんうん頷きながらの会話。顔も知らないお店の人の手書き文字。文字が語るおすすめの通りピタリとハマると、お次はどうれにしよう?と同じ手書き文字を追っては次なる1枚を探してみたりしていたものだ。
shopの担当の人がすすめる音楽を自分で選ぶことと、AIさんにすすめられて耳にフィットする音楽を検索して聴くようになるのとでは、似ているようでやはりどこか違うように思う。いや、違うのだと信じたいというか。能動的にただただ流れてくる音楽を受け入れるだけではなく、そこには人間力による何かがあるのだと抗ってみたいというか。
きっともっと軽やかであったら良いのでしょうけれど、そんなことを思ってしまうのは昭和の女なのでしょうか。

久しぶりにレコードshopに行きたくなった午後。

11月25日(土)一瞬粉雪が舞った朝。のちに晴れ
最高気温5℃ 最低気温-1℃ 
寒い日はやっぱり鍋かなと晩ごはんは白菜ともやしたっぷりの
味噌キムチ鍋