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久ちゃん来春 2月25日

久ちゃんが三春の我が家にやって来た。
黒字に白の大きな水玉のパンツにフェイクファーの帽子。そして自分で染めた藍色の毛糸で編んだという長い長いマフラーをぐるぐるに巻いて。全身が絶妙なバランスで決まっている。どんなに派手な服装をしていても、洋服に負けていない唯一無二の着こなしができる久ちゃんは、いつもカッコいい。一体何年ぶりだろう?と振り返ってみると実に8年ぶり。けれどもそんな気が全くしないのが不思議だ。

会っていない間にマメに連絡を取り合うでもないのに、会えば話が尽きずについつい夜更かし。久しぶりのお酒もクイクイと進んでしまったが、翌日に残ることなくスッキリしていたのはお酒の時間が楽しかった証拠だろう。笑って、時折まじめな話もして。久ちゃんの話には愚痴も噂話もなく、それでいて変なポジティブさがあるわけでもない。実直。華やかな世界でお仕事をしている人だけれど、地味に地道にコツコツと。そうやってひとつひとつの仕事を大事に積み上げていくことでしか結果は出せないのだと、身をもって証明している人。しかもちゃんととことん楽しんでいるのだ。
そんな久ちゃんが
「僕は福を呼ぶ人ってよく言われるの」

とそんなことを言いながら、お酒をグラスに注いでくれて夫君とともに3人で乾杯。福々とした心地に満たされて、気持ち良く酔えた夜だった。

数日前の引きずるような重い体と頭が、久ちゃんが来てくれたことで
シャキッとした。お陰でスイッチが入ってごはんの準備。
帰ってすぐに準備に取り掛かれるように朝のうちに下ごしらえしてから
仕事へ。
・シュウマイ・菜花のマリネ・金柑と人参のラぺ・人参のパリパリ春巻き
・レンコンのお醤油&ビネガーソテー・ナッツの味噌和え・お味噌汁

人が人を動かしてくれて支えてもらっているんだなぁ。
刺激をたくさんもらった。

2月25日 最高気温5℃ 最低気温0℃ 夕方からぼた雪が降り始める。
ぼた雪・またはぼたん雪。だなんて誰がこんな粋な喩えを最初に言い始めたのだろう。牡丹の花のように大きくて、ぼたぼた降る雪。まさにそんな春の雪。