見出し画像

劇場閉鎖は、日本の危機だろうと思う。野田秀樹の意見書を読んで。

国立劇場にはじまり、歌舞伎座も追従して、歌舞伎劇場が休場となった。月初めは、こうした劇場巡りに追われるのが毎月の仕事だが、今月は行くべきところがない。

ようやく勤務先の入試が終わり、ほっと一息つき、これで、劇場に行けると思っていたところが、拍子抜けしてしまった。

そんなところに、野田秀樹による「意見書 公演中止で本当にいいのか」が発表になった。

劇場の企画は、二年前から進むのが通例となっている。劇場を押さえて、予約金を支払い、スタッフ・キャストを集め、稽古場を借りて、懸命に努力を重ねた結果、政府の一声で、中止に追い込まれた関係者の無念。いや、無念の先には、政府の危機管理能力のなさへの怒りがある。

小中高の閉鎖がある一方、幼稚園や保育園は開いている。東京ドームフィットネスクラブは全面休場に追い込まれたが、ルネッサンス早稲田は、営業を続けている。歌舞伎劇場や日生劇場のように客席数千を超える劇場は、閉鎖され、密閉した空間で換気も充分ではないとライブハウスが狙い撃ちされる。

こうした場所に、行く、行かないは個人の判断に任せたいと思う。公権によって、個人の権利が踏みにじられる。こうした非常事態宣言を行うのでは、終末期にある現政権のあがきとしか思えない。

ここから先は

336字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。