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平成中村座の菊之助

 平成二十二年の十二月、尾上菊之助は、中村勘三郎のすすめによって、平成中村座の公演に参加している。その経緯については、『菊之助の礼儀』(新潮社 2014年)に詳しく書いた。

 公演が実現するにあたっては、同じ年の三月十八日に、打ち合わせを行っている。このとき提案した演目については、『菊之助の礼儀』にすでに書いたが、演目を並べただけではなく、いささかの説明を加えた文書があったのを思い出した。
 コンピューターを検索したところ、当時の文章がみつかったので、ここに再録しておく。

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平成中村座 尾上菊之助参加の可能性について

 歌舞伎座閉場の期間、平成中村座を7ヶ月興行するにあったって、中村勘三郎さんより、尾上菊之助に参加する可能性はないか、打診をいただいた。
それにあたって、以下の演目について、候補を検討する。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。