ロンドン観劇雑感、その2。あなたは、幕間にアルコールを飲みますか?
ロンドンの観劇でもっとも印象的だったのは、飲酒をともなう社交として、劇場が生きていることだった。
おおよその劇場には、バーがあり、観客は早めについて、まず一杯やっている。今回、驚いたのは、メールでプレオーダーをしませんかという勧誘が必ずくるところだった。バーで行列を作らなくても大丈夫。シャンパンでもワインでも、グラス売りだけではなく、ボトルであなたの客席にお届けしますという内容だった。
極端な例は、ミュージカルの『キャバレー』で、劇場の普通の玄関を使わず、楽屋口から観客を入場させる。客席にたどりつくまで、イマーシブ・シアターの仕掛になっていて、バーに観客をためて、お酒をすすめる。一階の平土間は、劇場を改造して、ベルリンのキャバレーそのもののように、テーブル席が、円形舞台を囲んでいる。たしかに『キャバレー』のような作品は、お酒を飲みながら、観劇することに、必然性があるとも思う。
ただ、二階のサークルで、ワインのボトルをぶらさげた観客がうろうろするのは閉口した。
年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。