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ロンドンで『キャバレー』と再会した。

 友人にすすめられて、プレイハウスシアターに出かけた。「今さら『キャバレー』ですか」とも思った。名作なのはよく知っているし、各地でおそらく五回は観ているそれでも行く価値があったというのが正直な感想だ。
 ステージドアから入ってくださいと指示があったので、さては、イマーシブシアターかと疑ったが、まさしく、その通り。この形式はディズニーランドとは勝負にならない。単に、お酒をじゃんじゃん売りつけるための仕掛としか思えなかった。

 今回観た『キャバレー』は、劇場自体を改造して、キットカットクラブを再現する趣向だった。お酒を飲みながら観劇をする習慣がないので、かなり抵抗を覚えたが、本番がはじまってからは、その疑いも消え去った。それほど、舞台水準が高く、歌唱、ダンス、演技に穴がない。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。