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令和三年の菊之助。後半には『京鹿子娘道成寺』の白拍子花子、『摂州合邦辻』の玉手御前、『義経千本桜』のいがみの権太が見たい。

 現在の歌舞伎は、変則的な興行が続いている。

 三部制を取っているために、出し物の長さにも制約がかかっており、狂言立てを作るにも苦心がいるのがわかる。
 玉三郎や猿之助の談話からも、役者たちが自分の出し物について、時間の制約を考慮した上で企画を考え、松竹とのやりとりのなかで、番組が決められていると思われる。だとすれば、今まで以上に、役者本人の企画力、プロデュース力が問われる時代が来ている。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。