続編はいかに。ミシュランを防衛するために追い詰められる倫子シェフが観たい。グランメゾン東京最終回のはてな。

 グランメゾン東京第十話。

 結局のところ、根本的な問題は、解決されずに終わった。

 リンダ(冨永愛)が政界の圧力にかかって、不誠実な態度をグランメゾンに取ってきたこと。
   先週の第九話で、GAKUを理不尽にも首になった丹後学(菊之助)が、なぜか急にレストランの窮地を救いにくること。
   平古祥平(玉森裕太)をめぐる三角関係に、平古が勤務していたホテルを舞台に、松井萠絵(古谷彩子)と蛯名美優(朝倉あき)の試食が、尾花夏樹(木村拓哉)の主導で行われること。

   脚本家は、ばたばたと最終話をまとめるばかりで、ドラマとしての体裁をなしていない。
   ここまでテレビドラマの脚本は、程度が低くなってしまったのか。まったく嘆かわしいばかりである。

  すべてがご都合主義で出来ている。
 山下達郎による主題歌がカットインするときに、かりそめの感動がもたらせれればいい。安易な作劇である。

 テレビはこんなものだといわれればそれまでだが、まるで不条理劇の愚作を見てさせられているようだ。
 人間はもはや、モラルをすべて失ってしまった。
 料理界もまた例外ではなく、ミシュランの信仰者に墜落してしまっている。その現実に対しての痛烈な批判が、言いたいことだったのだろうか。まさか、そうではあるまい。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。