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俳優マルチェロ・マーニさんの優しさと哀しみ。

 俳優のマルチェロ・マーニさんが亡くなった。深いお付き合いではなかったが、とびきりの笑顔の持ち主だった。もう20年近く前になるけれども、彼が創立にかかわったコンプリシテの作品で修論を書くと決めたので、話を聞かせてやってほしいと楽屋にお願いに行った。そんなときも、急がしいそぶりなど、みじんも見せずに、応接してくださったことが忘れられない。
 
 私が接した舞台は、野田秀樹作・演出がほとんどだけれども、1996年の『赤鬼(RED DEMON)』で「とんび」役を勤めたときの幕切れが忘れられない。妹の死を確かにはわからない「とんび」の哀しさがあふれ、涙が止まらなかった。人間としての優しさが、彼の演技の根底にあったのだろうと思う。どうぞ安らかにお休みください。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。