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野田秀樹の宇宙

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現代演劇を代表する劇作家・演出家・俳優の野田秀樹についての劇評、エッセイをまとめました。 近年の野田の仕事が見渡せるマガジンです。長谷部は、二十代から野田の仕事を見守っています。… もっと読む
このマガジンは、近年の野田秀樹の仕事を振り返るだけではなく、現在の動きもフォローアップしていきます… もっと詳しく
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記事一覧

来週の月曜日、野田秀樹について、まとまった講義をします。

 月曜日の講義のために、この数週間、準備を進めてきました。原稿はようやく昨日、ほぼ完成し…

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長谷部浩
3か月前
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【追悼】近くて遠い人。写真家、篠山紀信の想い出。

 神出鬼没の人だった。  篠山紀信と会った場所を思い出せばきりがない。青山のスタジオはも…

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長谷部浩
3か月前
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【劇評306】野田秀樹渾身の問題作。『兎、波を走る』は、私たちを挑発する。十枚。

   ドキュメンタリー演劇ではない。プロパガンダ演劇でももちろんない。  けれども、モデル…

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長谷部浩
9か月前
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『新潮』の戯曲、『文學界』の劇評、7月7日、七夕ですので、あわせてお読みいただけ…

 雑誌『新潮』に野田秀樹さんの戯曲、『兎、波を走る』が掲載され、今日、七夕の日に、書店に…

長谷部浩
10か月前
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松たか子の才能と、忘れられぬ思い出。『兎、波を走る』を見て。

 朗読劇ではなく、モノローグの名手として、松たか子は長く記憶されるだろうと思う。  その…

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長谷部浩
10か月前
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なかなか読み解けぬ『兎、波を走る』を二度観て。

 気の張る劇評を書き終えて、再校を読んでいます。  急に昨夜、細部で確認できていない部分…

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長谷部浩
10か月前
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AIが、野田秀樹作らしき戯曲を書き上げるのは、何年後なのか?

 NODAMAPが公演ごとに発行しているパンフレットは、中身がぎっしり詰まっていて読み応えがある。しかも、近年は、佐野研二郎が、クリエィティブディレクション、アートディレクションを統括しているので、デザインの観点から見ても、「なるほど、今回はこうきたのか」と感心するばかりだ。  今回の『兎、波を走る』のパンフレットでは、野田秀樹がロシア文学者の沼田充義と脳科学者の中野信子のふたりと対談している。専門が異なるふたりだけれども、AIの話に触れているところが共通している。  果

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高橋一生、その光と影

 現在、東京芸術劇場で上演されている『兎、波を走る』(野田秀樹作・演出)で、高橋一生は、…

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長谷部浩
10か月前
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『兎、波を走る』をめぐって。

 野田秀樹のリソースについては、ほぼ同年代のために、ある程度想像がつく。  今回の『兎、…

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長谷部浩
10か月前
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【劇評288】東京キャラバンが帰ってきた。野田秀樹が仕掛けたケレンが炸裂する芸能者…

 2015年10月、「東京キャラバン」の公開ワークショップを、駒沢公園で観てから、ずいぶん…

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長谷部浩
1年前
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【追悼】高都幸男と空中楼閣

 高都幸男さんが亡くなった。最後に会った日を忘れてしまうくらい音信がない。おそらくは、野…

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長谷部浩
1年前
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俳優マルチェロ・マーニさんの優しさと哀しみ。

 俳優のマルチェロ・マーニさんが亡くなった。深いお付き合いではなかったが、とびきりの笑顔…

長谷部浩
1年前
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野田秀樹『Q』(初演2019年)を思い出す。なんだ、私はこのときから、邪悪な力のこと…

 現在、東京芸術劇場で上演中の野田秀樹作・演出『Q』の初演について、私は雑誌『悲劇喜劇』…

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長谷部浩
1年前
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【劇評270】絶対的な孤独が浮かびあがる野田秀樹『Q』再演の舞台を読む。十一枚。

野田の作品は、未来を写す鏡か。  野田秀樹の戯曲は、再演されるたびに、別の顔を見せる。  先の時代に起こる事件を予見していたようにも見える。  『Q』(野田秀樹作・演出)の初演は二○一九年十月八日だから、再演まで三年に満たない。それにもかかわらず、世界は変わった。激変した。初演の頃は、コロナウィルスの脅威を私たちは知らない。また、ヨーロッパが戦火の渦に巻き込まるとは、想像さえしていなかった。  今回の再演は、コロナ禍によって予定されていた七月二十九日の初日から四日間が公

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