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長谷部浩の俳優論。

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歌舞伎は、その成り立ちからして俳優論に傾きますが、これからは現代演劇でも、演出論や戯曲論にくわえて、俳優についても語ってみようと思っています。
劇作家よりも演出家よりも、俳優に興味のある方へ。
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2020年2月の記事一覧

高橋一生のリチャード三世と浦井健治のハムレットについて、いくつか考えたこと。

高橋一生のリチャード三世と浦井健治のハムレットについて、いくつか考えたこと。

 日生劇場で上演してる『天保一二年のシェイクスピア』には、写し絵がある。

 高橋一生は、主に、シェイクスピアの『リチャード三世』のタイトルロールを踏まえている。浦井健治は『ハムレット』である。

 もちろん、井上ひさしの脚色だから、原作とは役柄の実質は異なっている。けれども、その骨格を引き継いでいるのは、井上ひさしのシェイクスピアに対する尊敬だろうと思う。

 高橋の佐渡の三世次は、これまでのリ

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