【劇評202】めでたさも中くらいなり初芝居。歌舞伎座第一部を観て。
めでたさも中くらいなりおらが春 一茶
コロナ渦が進行し、東京は危機に瀕している。都合があって第二部を先に書き、今、第一部の劇評を書こうとしているが、複雑な思いに捉えられている。
舞台に立つ役者は、マスクをつけるわけにはいかない。危険を覚悟しながら、舞台に立ち続けるのは至難の業で、尊敬の念を改めて持った。
さて、『壽浅草柱建(ことほぎてあさくさつどうはしらだて)』は、歌舞伎の正月ならではの曽我物。これまで「浅草新春歌舞伎」で修業を積んできた若手花形が、松也以下勢揃