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四代目市川猿之助(亀治郎)の仕事

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二代目市川亀治郎時代に、四代目とは、なんどか人生が交錯したことがある。一度は、パリの日本文化会館のレクチャーに出て頂いた時、もう一度は、ロンドン、バービカンセンターで『NINAG… もっと読む
亀治郎、猿之助について私が書いた劇評をたどることで、彼が、歌舞伎俳優として、どのような試行錯誤をし… もっと詳しく
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記事一覧

猿之助の懲役三年、執行猶予五年の判決確定を受けて。思うこと。

 懲役三年、執行猶予五年(求刑懲役3年)の判決を、重いと思うか、それとも軽いと思うかは、…

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長谷部浩
5か月前
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【追悼】闘将猿翁の逝去について、思い出すこと、いくつか。

 闘将という名がふさわしい人だった。  二代目市川猿翁(三代目猿之助)は、高校生時代の私…

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長谷部浩
6か月前
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新春歌舞伎の天気図。明日はきっと晴れ。

 年末なので、今年の回顧を書こうかと思ったのだが、例年とは事情が異なる。悲しい気持ちにな…

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長谷部浩
3年前
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【劇評216】七十八歳の気力を振り絞る白鸚の弁慶。神秘性のこもる猿之助の『小鍛治』…

 七十八歳で、体力、気力ともに最大限の充実を求められる『勧進帳』の弁慶を勤める。これがど…

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長谷部浩
3年前
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蜷川幸雄演出、菊之助主演『NINAGAWA 十二夜』のロンドン公演、新聞劇評(抜粋)

2009年にロンドンのバービカン劇場で行われた蜷川幸雄演出のシェイクスピア作品には、さま…

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長谷部浩
4年前

【劇評187】 猿之助の智慧。観客の好みを知り尽くした舞台

 歌舞伎座の十一月は例年通り、顔見世の月だけれど、八月からの四部制が続いている。大顔合わ…

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長谷部浩
3年前
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熱狂させる力 亀治郎の会の十年 

 四代目猿之助が自費を投じて、長年続けていた「亀治郎の会」は、この歌舞伎役者の意欲と方向性を読み取ることが出来ました。本来、猿之助は、こんな役者へと進んで行きたかったのだとよくわかります。雑誌『演劇界』の求に応じて書いた原稿を掲載します。           平成十四年八月二日、第一回亀治郎の会が、京都芸術劇場春秋座で幕を開けた。演目は、『摂州合邦辻』と『春興鏡獅子』。玉手御前と小姓弥生後に獅子の精という意欲的な演目であった。  それから十年、その歩みを辿ると、亀治郎いや四

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【劇評169】 猿之助、七之助の万事派手な「吉野山」。藝と笑いの「源氏店…

 社交の場でもなければ、消閑の場でもない。舞台と観客席が、真摯に向かい合う歌舞伎座となっ…

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長谷部浩
3年前
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【劇評174】幸四郎の冷酷と猿之助の妄執。怨嗟にあふれる世界を撃つ舞踊劇「かさね」

 四部制は、間の消毒の時間を考えると、ひとつの部の上演時間に制約がある。また、半通しのよ…

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長谷部浩
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【劇評202】めでたさも中くらいなり初芝居。歌舞伎座第一部を観て。

 めでたさも中くらいなりおらが春 一茶    コロナ渦が進行し、東京は危機に瀕している。都…

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長谷部浩
3年前
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【劇評244】猿之助の可能性はどこにあるのか。

 もう師走か。  十二月大歌舞伎を観るために歌舞伎座に向かったのは、四日。このところ暖か…

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長谷部浩
2年前
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【劇評272】幸四郎、勘九郎、猿之助の役者が生きる第二部。

 八月納涼歌舞伎第二部は、幸四郎、勘九郎の役者で見せる『安政奇聞佃夜嵐』(古河新水作、巌…

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長谷部浩
1年前
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【劇評273】染五郎、團子、隼人。売り出しの花形を押し出す『弥次喜多流離譚』。

 歌舞伎という巨大な怪物は、どれほど斬新な新作も、やがて、その胃袋に呑み込んでしまう。 …

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長谷部浩
1年前
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【劇評284】技藝を追求する團十郎の弁慶。『勧進帳』で幸四郎と猿之助が襲名を盛り上げる。

気力体力が充実したところに、未来を見据えた技藝が宿る。  さて、『勧進帳』である。  新・團十郎の弁慶、幸四郎の富樫、猿之助の義経。意外なことにこの顔合わせは、はじめてである。

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