勘三郎のあしあと。野田秀樹「足跡姫」に寄せたエッセイを再録します。
野田秀樹作・演出『足跡姫』(02017年1月。東京芸術劇場)のパンフレットに掲載された私の稽古場レポートを転載します。野田さんが、勘三郎さんを祈念して上演した舞台です。
懐かしい日々を思い出します。
師走のある日、中央区にある水天宮ピットに野田秀樹の稽古場を訪ねた。
稽古場では評論家は招かれざる客であると承知している。教育の場でもあった演出家蜷川幸雄の場合を除けば、私がこれまで稽古場を訪ねたのは、都合二十回を超えないだろうと思う。
野田の稽古場を訊ねたのは、思い