「キッチン」とおばあちゃんと私
人間はいつか死ぬ。
この事実を知った子どもの時、一番怖いと思ったのはおばあちゃんもいつか死んでしまうという事だった。自分が死ぬことよりもおばあちゃんがいつの日か死んでしまうという事実が恐怖でしかなかった。
我が家は両親共働きの家庭だったので、一緒に暮らしていた母方の祖母は、私にとっては祖母というより第二の母親のような存在だった。保育園の送り迎えから夕飯の準備、夜一緒に寝るのもお風呂に入るのもおばあちゃんと一緒だった。休日はいろいろな場所へ連れて行ってくれたし、毎日の買い出し