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【ミニ社長塾 第5講】4人家族で一泊62,700円! 喜んでお金を払ったワケとは?

おつかれさまです!
中小企業診断士で、社長の後継者に【徹底伴走】するコンサルタントの長谷川です。

今週の11月3日から第20期の社長塾がスタートします。
長いようで短い1年間(先日修了した18期生のほとんどの方が短かった、と言われています笑)。
新たなメンバーに伴走できること、ワクワクしています。

そんな社長塾ですが、私が携わるようになって初めて行ったことは、
実は「講義を受ける」でした。

「え? 僕、運営やるんじゃないんですか?!」

と思ったのですが、当時の上司からは「とりあえず、社長塾のこと勉強しておいて」と言われ、後ろの席で講義を受けていました。

当時は簿記3級レベルの財務知識はしかないし、マーケも前職で店舗運営してた時に実践で身につけた感覚的なものしかないし……という状態。

基礎的な経営知識をまずは習得してもらおう(そして、自社の共通言語を学びましょう)、となったわけです。

(その延長線上に中小企業診断士の資格取得につながり、今は伴走コンサルタントとしてやっています)

そんな初心者だった私が一番初めに学んだことは「付加価値」。
そして、「値決めの主導権」についてです。

値決めは、経営者の仕事であり、経営者の人格がそのまま現れるのです。

「第21回盛和塾世界大会(2013年7月18日)」要旨

稲盛和夫氏の有名な言葉にもあるように、経営者の仕事です。
今回のミニ社長塾では、「付加価値・値決め」についてお話します。

1.付加価値のとらえ方

当社長塾では、財務的な思考力を「財務アタマ」と評しており、4分類・16項目に分けて整理をしています。その中にあるのが「高付加価値主義」そして「値決めの主導権」です。

付加価値の説明をする際に、講師はこのような問いかけをよくしています。

ここにペットボトルの水があります。
これはコンビニで売っていたもので、あなたは100円で買ってきました。
しかし、この水は少し離れたスーパーでは60円で売っています。
あなたは、なぜ、この水を100円で買ったのですか?

すると、多くの方がこのように答えられます。

コンビニですぐに手に入るから。
スーパーまでわざわざ買いに行くのが手間だから。
今すぐにでも水が飲みたかったから。

この水の原価は、せいぜい50円程度。
スーパーで売っている価格との差は10円。
一方のコンビニで売っている価格との差は50円。
この差額こそが付加「価値」です。

そして、お客様に認めてもらって初めて価値が生まれます
今回のケースでは、
「(移動する)手間が省ける」「今すぐ手に入れたい」といった課題解決につながるからこそ、原価以上の価格でも受け入れてもらえるのです。

2.絶対価格と相対価格

昨今の円安や世界情勢の変化により、物価高です。
この11月1日も値上がりする商品が後を絶ちません。

経済用語で絶対価格と相対価格というものがあります。

辞書を見ると、次のように書かれています。

絶対価格……財や、サービスの価値を貨幣額で表示したもの
相対価格……財や、サービスの価値を貨幣で表示するのではなく、相互の交換比率で表示したもの

需要と共有のバランスにも関わる話で、つまるところ先の物価高による価格設定は「相対価格」と言えます。

この価格は相場を見ながら値上げをしているために、相対的な利益は変わらないか、むしろ下がってしまう場合があります。
(この点、多くの経営者の悩みどころだと思います)

一方で、「絶対価格」で価格を設定している場合は、原価をしっかり見たうえで付加価値を見込んで価格設定をしています。そのため、原価が上がったところで付加価値とのバランスを見たうえで価格設定をすることができます

強くて愛される会社のなかで付加価値のとれるビジネスを行われているところを見ると、相場のないような商品・サービスを扱っておられます。だからこそ「絶対価格」であり「値決めの主導権」を持った経営をされているのだと思います。

3.価格の決定と価格の創造は違う

今年、私は家族とグランピングに出かけました。
一泊二日でキャンプをしたのですが、借りたテント施設の価格は62,700円(税込)でした。

同じ地域でホテルに泊まった場合、10,000円前後で泊まれます。また、東京都内のホテルに泊まった場合でも40,000円でお釣りが出るくらいで泊まれます。そう考えると、62,700円は破格の値段です。

実は、泊まった当日はあいにくの雨で、楽しみのBBQもできず星空も見ることができず。そんな状態だったのですが、私は62,700円を払っても泊まった価値はあったな、と思っています。

それはなぜか、といいますと、子供たちがすごい喜んでいたからです。
初めてのテントに泊まることにワクワクし、自然の環境に触れて、しばらくは思い出を語ってくれていました。

これは東京のホテルに泊まっても得ることはできない体験で、この体験こそが私にとっての付加価値です。喜んで62,700円をお支払いしました。

先ほど、相対価格と絶対価格の話をしましたが、相対価格は相場によって決定されるのに対し、価格を創造するからこそ絶対価格になります。

グランピングの利用料は、相場のない体験を価値としたことで付加価値が生まれ、価格を創造することができています

相場のない商品・サービスであれば提供側に価格の主導権が生まれ、価格を創造することができるようになります。
(この相場のない商品・サービスをどのように生み出す(まさに創造!)のかについては、池クジラ戦略がテーマとなります。)

今回の話は以上です。
値上げの波が止まりませんが、今一度商品・サービスの値付けを見直していただく機会となりますと嬉しいです。

引き続き、よろしくお願いいたします!

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