「グルメ本を出版するとタイヤが売れる」から考える勉強の仕方、ビジネスの仕方

「グルメ本を出版するとタイヤが売れる」

ミシュランの有名な話。

グルメ本が売れる→家族で外食する人が増加→車の使用率が増加→タイヤ交換する人が増える

こんな流れである。

要するに「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざと同じこと。

これも、

風が吹く→ホコリが目に入り視力が低下する人が増える→視覚障がい者が増える→三味線が売れる。(江戸時代の視覚障がい者の代表的な職業が三味線弾き)→三味線の皮に使われる猫の皮が不足する→猫が捕獲される→猫が減る→ねずみが増える→増加したねずみが棺桶をかじる→新たな棺桶を求めて棺桶の購入者が増える。

このような流れの話である。

まったく関係なさそうなところに因果関係があるということの例えだ。

因果関係が及ぼすこと

勉強をする上で、ビジネスをする上でこの例えは非常に重要な考え方である。

「可能性が低い!そんなのこじつけの例えだ!」

と言う人もいるが、そんなことを言っているわけではない。あくまで、どこに因果関係があるか分からないということが重要なのである。

国際政治経済を主に学んでいる上でこんなことがあった。

−イラク難民について勉強していた

−難民とは別にBRICs(2000年以降の経済成長が著しい新興国、ブラジル、ロシア、インド、中国)について勉強していた

–イラク難民をブラジルが大量に受け入れていることを知った

–ブラジルの意図は何だろうという疑問を持ち、論文テーマにした

イラク難民の現状について勉強していただけであり、受け入れ国家をマップで表すだけの調査に終わっていたかもしれないが、たまたまBRICsについて学んでいたこともあり、地理的にも遠いイラク難民を受け入れた経済成長著しいブラジルの打算的な目的について深く考えるようになったわけだ。

運良くこのようなテーマに出会えたが、どこにどんな因果関係があるかということは分からない。だから幅広く学んでおくことが無難かつ重要なのだ。

様々な概念が影響を及ぼす

カンボジアについて勉強するのであれば、隣国であるタイやベトナムについて同時に学んでおいたほうがいい。政治経済に及ぼす影響もあれば、ある社会問題についてその原因が歴史的に因果関係があるかもしれない。

この考え方は学問だけの話ではない。ビジネスについて考える上でも非常に有効である。

例えば、特段うまくもないラーメン屋がなぜ売れるのかを考えると良い。

立地、内装、席数、営業時間、人の流れ、住んでいる人の層、周辺の環境、ありとあらゆることに原因がありそうである。

「ラーメン屋はうまいから儲かる」

「うまいラーメン屋は儲かる」

この二つはまったく違う。うまいラーメン屋が儲かる傾向があったとしても、ラーメン屋はうまいから儲かっているばかりではない。そこには因果関係や相関関係が潜んでいる。つまり、うまいラーメンを探求することは重要だとしても、それだけでは売れる保証はまったくないわけである。

このようにどこに何が影響するかが分からない状況において、幅広く知ろうとする癖や考え方が結果として、学問やビジネスを楽にするといえる。










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