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動物の名がつく植物その2

木版画を作るのに少し慣れてきた頃、
ダジャレることに少し疲れてきた頃。
お部屋に飾って調和がとれる、
シンプルでシックなものが作りたい。
そう思って作ったのがこちらの2作です。

『コウモリカズラ』

シンプルでシックに!と
要素を盛り込んだり、色数増やすのを我慢しつつ
2色刷りで作った「コウモリカズラ」

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「余白の美…」と唱えながら下書きしました。
葉っぱをバランスよく配置する事が、
スキーしてる猿を描くより難しいのです。

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よく見ると葉っぱが1枚だけコウモリになっています。
紛れ込んで不自然でないように、
それでいてコウモリに見えるように、
何度も描き直しました。
リアルに描くよりデフォルメする方が難しいのです。

『カラストスズメノエンドウ』

植物が織りなす曲線を装飾のように表現したい。
そんなアールヌーヴォー的なものを目指して
2種のマメ科植物と名前にちなんだ鳥を描きました。

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「アールヌーヴォーとは…?」と、自問。
頭の中で描いたイメージを形にするには
まだまだ修行がたりません。

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撮影のために久々に版木をひっぱり出して、
おもわず「Oh…!」と呟いてしまいました。
彫り跡から、当時の試行錯誤が読み取れてしまい
ちょっとムズムズいたします。

その時時にしか作り得ないもの

思い描いたものを形にするには技術力が必要です。
何年か前の作品を見返すと、その拙さに冷汗が出ますが
その時点での全力で作った事に違いありません。
思い通りにいかないからこそ、また次のものを作る。
それを繰り返して、繰り返して、繰り返して…
どこかの時点で皆様のお目に留まれば幸いです。

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