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動物の名がつく植物(菌類)その1

「鵜のつく名前」の翌年に作った「動物の名がつく植物(菌類)」シリーズ。
いきなり大きさも色数も増えて、技術は無いのに意気込みだけはある
当時の無謀さがうかがえます。

『ネコヤナギ』

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白くてフサフサした花穂が猫のしっぽを連想させることから
この名がついたと言う「ネコヤナギ」

画像2<どちらもフサフサ>

縁側でのびをする猫のしっぽの先が
ネコヤナギの枝に重なるように構図を考えました。
あまりひねりはありませんが、人気の1枚です。

『スズメノテッポウ』

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細い筒状の花序を鉄砲に見立てて名付けられた「スズメノテッポウ」
相撲のテッポウという稽古とは何の関係もありません。
版木の上に絵の具を伸ばすのに刷毛を使うのですが、
刷毛を掃いて板の木目を表現したり、刷毛を叩いて砂っぽさを出したり、
いろいろと工夫した1枚です。

画像4<とんでもないサイズのスズメ>

植物のスズメノテッポウと、相撲のテッポウ。
両方知らないと何が面白いんだか分かりませんが、
どうにも笑いをこらえきれぬ…と言った風情で
この版画を見て下さる方がいらっしゃると
「ああ、伝わってるなぁ」と報われた思いがします。

『サルスベリ』

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サルも滑ってしまうほどに、樹皮がツルツルだという「サルスベリ」
ウチのお猿さんは、うっかり滑るどころか自ら進んで滑っております。

画像6<プロ級の滑り!>

この雪のつぶつぶを彫るのに3日くらいかかりました。
労力をかけて、真剣にふざけるのが信条です。
このシリーズの中で一番ウケるのに
このシリーズの中で一番売れない…
今の所、全国でこの版画を所有してるのは
私を除いて1名だけです。お目が高い!

『サルノコシカケ』

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サルが腰掛けるのにちょうどよいから「サルノコシカケ」だなんて、
なんだかメルヘンチックですね。
サルノコシカケ、といっても色々なので図鑑を見て一番座りやすそうな
コフキサルノコシカケを採用しました。

画像8<ニホンザルを描くと、知り合いに似た人がいそうな顔になってしまう>

歩き疲れて腰掛けるお猿さんのアンニュイさが
よく表現できているのではないかと自負しています。

ゆらぐダジャレ魂

解説なしでも分かりやすい絵柄の
「ネコヤナギ」「サルノコシカケ」が人気のこのシリーズ。
ひょっとして、あまりダジャレないほうがいいの?
とうことに気づき始めてしまった晴三。
シャレの効いた絵柄が持ち味であり、
それを求められているとも思っていたのは
はたして、己にかけた呪縛なのか…

その作風に変化があらわれるかもしれない
<次週>「動物の名がつく植物②」
どうぞお楽しみに。

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