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江戸っ子どうぶつ

「晴三、仏へ行くってよ。」
ホトケではありません、フランスです。今回ご紹介する木版画は2016年にパリのギャラリーで行われたグループ展に出品したもの。海外で展示するならば日本っぽいものを…という単純な考えから、なぜか「お江戸で働くどうぶつたち」というテーマにたどり着きました。勤めるお仕事は、警察・救急・消防。どうぶつたちの働きっぷりを、どうぶつ型のビスケットでもつまみながらご覧下さいませ。

しばいぬ同心

御用だ!御用だ!ワンワンワワン!!
その嗅覚と脚力からは逃れられない、まさに天職。実際に警察犬もいることだし、海外の方にも伝わりやすいだろうと思っていたら…「犬のおまわりさん」の歌をご存じの方がいてビックリしました。日本人が「クラリネットをこわしちゃった」知ってるようなものですかね?

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のうさぎ薬師

さて、次のお仕事は…“救急”というより“薬剤師”ですね。薬とうさぎに何の関係があるのか?とよく聞かれますが、「因幡の白うさぎ」の話をするとだいたい納得していただけます。製薬会社のマークにうさぎが使われていたりもしますよ。中国では、月のうさぎは餅ではなく薬を搗いている、と言われているそうです。

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てっぽううお火消し

江戸時代には“竜吐水”と呼ばれる放水ポンプがありましたが、延焼を防ぐ手助けになった程度で、火事を消すほどの威力はなかったそうです。
ガンバレ!てっぽううお!

ちなみに屋根の上の火消しが持つ纏(まとい)は、いろは48組“い組”のもの。てっぺんの丸いのが“芥子の実”、その下の四角いのが“升”を表していて、「けし・ます」という駄洒落になっているのだとか。江戸っ子の遊び心、たまりませんね〜!

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言葉が通じるにこしたことは無いけれど

学生時代、担当教諭をして絶望的と言わしめた英語力。いわんや、フランス語をや。それでもギャラリーの方に「片言でも作家本人が説明した方が伝わるものがある」と言われ、ボンジュールとメルシーと身振り手振りで乗り切った1週間。なのでもちろん、白うさぎが蒲の穂の花粉で傷をいやした話など説明しようがないのですが、想いがどうにか伝わって「トレビアン!」といわれた時の喜びはひとしおでした。

1週間も海外にいたら日本食が恋しくなるのかな〜?なんて思っていたら、誰かが「どん兵衛食べたい…」なんて言うものだから、白米でも梅干しでもなく、カツオだしが恋しくなると知った初の海外行き。この2年後、再びパリを訪れることになるとは知る由もない晴三であった…


【期間限定(9/4~9/10)】今回紹介した木版画を販売します。


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晴三/ハルゾウ
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