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みんなでつくることの尊さ。

「世界が仕事場」という授業を取っていた。通称「せかしご」と呼ばれ親しまれていて、冒険家としても活動されていたという先生を筆頭に、アクティブな人たちが集まる名物授業の一つだ。半期の授業だったため、昨日で終わりを迎えた。

後期のせかしごでは生徒がグループにわかれ、それぞれが授業をつくる。やってみるとよくわかるのだけれど、授業をつくるのって、本当に時間がかかるしエネルギーもたくさん使う。ミーティングのために、バイトやサークルにも忙しい大学生5〜6人のスケジュールを合わせるのだけでも一苦労だ。これだけやってもらえる単位はたったの1なのだから、この授業はやっぱり少し変わった者の集まりなのだと思う。

でも、終わってみての感想を求められた時、いちばんに思うのはやっぱり、みんなと一緒につくることの価値だった。それが、時代とともに個人主義がますます力を持ってきたからなのか、子供から大人になるにつれての自然な流れなのかはわからないけれど、みんなで何か一つのものを一緒につくる機会は、明らかに減っていた。「遠くへ行きたければみんなで行け」とよく言うけれど、今までは、その意味がよく分からなかった。


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先日、祖母と地域の方々と味噌づくりをしたとき、集まったお母さんたちを見ながら、「ああ昔の人たちは、こうやって味噌をつくりながら、コミュニティもつくっていたのだなあ」と思った。「コミュニティデザイン」という言葉が台頭してきた背景がわかった気がした。


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ずっと一人でやろうとしてきた。一人の方が早いし、自由にやれる。おまけに成果はすべて自分のものになる。でも、何かが物足りなかった。

「自分の前に、何か大きな壁がある」とはずっと思っていて、それが何なのか分からずにいたのだけれど、きっとそれは他者を信頼することだったのだと思う。

Resilience is often thought of as a solo effort—the lone hero who falls and rises up again to do battle. In reality, however, reaching out to others is usually a strategy for success. 
(=レジリエンス(=困難な状況にも適応し生きていける力)は個人の努力と思われがちだ。〜しかし実際には、他者に助けを求めることが成功の戦略になるのだ。)

(David Kelly, Tom Kelly. "Creative Confidence" (邦名:クリエイティブ・マインドセット)P.58 より)


なんだか、いろんなことが、ますます楽しみになってきた。



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