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DXは「商品」によって成るのか、それとも「人」によって成るのか

ここんとこ「DX」に関する書籍、色んなとこが出しているフリーの白書やレポートを読み漁っています。というのも、IT企業である弊社が生き残る筋を考える上で「DX」をバズワードで放置するのか、一過性のブームで終わるのか、今後の必須概念になるのかをしっかり見極めておきたいからです。

バズワードなら放置してても問題はなく、一過性なら波に乗れるなら乗って短い期間のうちに回収すればいいのですが、今後の必須概念であればしっかりと自分のものにしとかないと!という思いです。

弊社は自治体向けの業務効率化のパッケージの導入,保守,開発を行っていて、それが収益の柱の一つになっています。「弊社が生き残る筋」と書きましたが、自治体向けの業務は17業務標準化に伴い収益の構造に大きな変化が予想されていて、最悪の場合大きな収入減に陥るかもしれず、個人的には非常に危機感を持って日々を過ごしています。

で、今はDX関連の書籍は本当に多くて祭りの様相です。

色んなDXの書籍を図書館で借りて読んでみて思ったのが、普遍的な理論みたいなのを書いているものは読んでもイマイチ心が踊らないってことでした。

先行しているとこの成功事例をものすごく単純化して言い切っていて、現場感がものすごく希薄なとこにどこかで見たような理屈をダラダラ書いてあるのが、やり手の戦コンが経営層に「商品」だけ授けて売り逃げする気満点にどうしても感じてしまいまうんですよね…

でも、今日はこれ↓を読んで心が踊りました。

DXの最前線に赴いて取材した現場の生の声が書いてありました。変えていこうとする人の気持ちが見えるし、組織や他人が変わっていく場を創り出すことの苦しさと、変化がチラ見できたときの嬉しさが伝わってきます。軸足がもともとITにない現場の人間とその変化を勇気づけるトップ、仕様書ではなく現場を見ているITのプロの代走、伴走、自走のエピソードの数々、そして、それが今の自分にはとても染み入ってきます。

DXは常に変化することを前提にするため、現場は決まった理屈やルーチンより考え方やどうありたいのか(Being)が強く問われるし、上はそれを信頼する度量が求められるのだとこの本を読んで改めて思いました。

そう考えると、よりDXにフィットする組織はヒエラルキーと前例、そして命令によるルーチン駆動ではなく、自律型で信頼関係に基づくつながり、そしてエンパワメント駆動ができるとこな感じで、DXはやはり「」と育成、出会いなのかなという思いをより強くしました。

DXは前のめりな現場の人間にデジタル目線で再考を促し支援し勇気づけるほうが成功確率は上がりそうです。そしてそれはとても血が通う感、お客様に向きあう感があって、私のやりたい事と重なってワクワク、ヒリヒリ、ゾクゾクする現場だなぁと。ずっとベンダーサイドだったのですが、やっぱし、ユーザーサイドに入って色々やってみたい思いが湧いてきました。

DXはSDGsと同じく大きな産業構造の変化を促しているという認識を改めて強く持ちました。また、人が活躍する場として関心軸コミュニティ的なものと通底しているように思います。今後持続可能な、成長できる余地が大きいのはDXやSDGsが標準仕様になった世界のように思います。

ということで、DXの勉強と自分なりの実践はまだまだ続きそうです。

私はITの知識はプロとして地方の現場では通用するレベルにはあると自負しているので、オープンマインドと斜めのつながりによって芽生える好奇心と行動に移す「面白がり力」をユーザーサイドでもっと磨いていきたいと考える今日このごろです。

フィラメントで「面白がり力強化プログラム」というワークショップを主に企業の社内で提供しています。 受講者の『好奇心ー感受性ー能動性』からなる情報摂取力を覚醒させ、『引き出しー仮説(アイデア)ー巻き込み』という情報加工能力を鍛えるループにつ...

Posted by 角 勝 on Friday, October 22, 2021


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