カレー屋さんにて
3年前の冬
私の恋があっけなく終わってしまった。
あ、この恋も終わりがちかいな。
そんな予感はあったのだ。
そんな予感は的中するのだ。
頑張れば頑張るほど気持ちは離れていくし
私自身が疲弊をしてしまった。
いつも彼の顔色を窺ってしまう自分にも嫌気がしていたし
返事がこないとわかっていながらメッセージを送っている自分も嫌だった。
そう、彼といることで私が私でなくなっていったのだ。
終わりはとっても簡単だった。
私がメッセージを送るのをやめたのだ。
そんな中友人に会いに東京へ行ったとき
カレー屋さんに入ったのだ。
恋が終わりそうでもおなかはすく。
オーダーをしてぼんやりと待っていた時
くりるのばらの花が流れてきたのだ
♪あんなに近づいたの遠くなってゆく
だけどこんなに胸が痛むのは何の花にたとえられましょう
ジンジャーエール買って飲んだこんな味だっけな♪
この曲を聴く瞬間まで
泣いたら最後と、かたくなになっていたのだけども
不覚にもカレーを待っている途中で泣いてしまった。
一度流れてしまった涙はしばらく止まることはなかった。
お店のお姉さんにも友達にもぎょっとされたが止まらなかった。
泣いてカレーを食べたらとってもすっきりした。
心の中で、『さよなら』とつぶやいてみた。
そして悪態もついてみた『弱虫』と。