四柱推命から見た相性〜餅つき論〜
「男女の相性に関しての鑑定は複雑で、不確かだ。むしろ占うことはできないかもしれない。」
四柱推命を学び出してまもない頃に、ベテランの鑑定師ばかりが集まる場で聞いた言葉。
その時、この理由の詳細をお聞きすることはできなかったが、私はこう解釈した。
男女の相性、その背景には、二人の運気だけでなく、各々が出会う人からの刺激などの外的要因が複雑に絡まり合う。そして、何より、生身の人間の気持ちのヴァイオリズムが、ことを複雑にするからだと思う。それは、良くも悪くも。
しかし、鑑定師として、相性を見ることができませんとは言えない。その方が、誰とどうなるのかを予言することはできないが、これまでのデータから傾向と対策をお伝えすることはできる。
わたしの流派では、相性には、主に、基本相性とスペシャル相性の二つを見ている。
基本相性とは、一緒にいて落ち着く、しっくり感がある、楽ちんでお互いが素の状態でいられる相手かどうか、という観点。
スペシャル相性とは、理屈では説明できないが何故か惹かれてしまうような、深いご縁のある相手。
基本相性は100%中、何%なのかを出すことができ、スペシャル相性は人によって数字は様々だ。
基本相性の数値が高い相手とは、生活のリズムや金銭感覚、お互いの家族との関係性などにギャップが少ないので一緒にいて楽と言われている。そのため、真剣に、穏やかな結婚生活を求めている場合は、この部分を参考にするといい。
逆に、基本相性の数値が低い相手とは、上記の点においてお互いにすり合わせをしながらズレを埋めていくシチュエーションが多いかもしれない。
もちろん、基本相性が100%の人でも別れてしまう人もいれば、基本相性が0%でも良好なパートナーシップが築けている人もいる。数値が100%だからと言っても相手を思いやる気持ちを持って、同時に自分が無理し過ぎていないかを見てあげないとバランスを取ることは難しい。
スペシャル相性は、命式の中でも見る視点のスケールが大きいため、理屈では説明できない不思議な出会い方、結びつきのあることが多いように感じる。
ご縁とは本当に不思議なもので、その時感じた人間の体感・直感に疑う余地はないと思う。
この二つの相性の観点から、自分を振り返ってみた。
以前、基本相性100%の方がいた。確かに、命式全体をみると、一緒に生活したら楽そうだ、とわかった。いい方だった。でも、ハートが動かなかった。
逆に、基本相性が25%しかないが、スペシャル相性が高い相手と出会った時、その出会い方も不思議だったし、なぜか惹かれる、ハートが持っていかれる感じがあった。
相性は確かに気になるものだし、傾向はあるから無視できない。相性の数値が良くても悪くても、結果を確認した後にしていただきたいことがある。
それは、もう一度自分の命式を眺めてみること。
持っている星によっても相手に求めるものや、自分が心地よいと思うポイントは違う。その人が活かしてる星によっても人生のパートナーの選び方は違う。
相性が良くても、平和すぎて、問題解決能力がなくなってしまっていたら、関係にヒビが入ることだってある。相性が0%でも、出会えたご縁に感謝して、二人の問題を自分への学びとして、成長できる人もいる。
恋に落ちるのに努力はいらないけど、人を愛するのには努力だ必要だ。
いつだって、立ち返るべきは自分の命式だと思う。自分の命式は自分そのものだから。その時どきの悩みによって、命式がヒントを教えてくれるはず。
そして、出会えただけでも奇跡なのだ。
わたしは、相性を知ることは、二人の餅つきを上達させるきっかけだと思う。相性は育てていくこともできると思う。
餅つきみたいに、最初は息が合わなくても、お互いがタイミングを調整しながら、疲れたら交代して。一人餅つきにならないように、頼ったり、甘えることもしながら。
相性がいい人とは、一緒に餅つきができる人のことだ。そのための餅つきスキルを磨いていこう。
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