見出し画像

【詩】わたしと修羅

すぐに忘れてしまうのです
ここにあるこころを
それを届けてくれるのは
しくしくと泣いている小さなわたし
きょろきょろとよそ見をしていたら転んでしまうのよ
わたしのなかにいる修羅は
わたしを守ってくれている

いつも見落としてしまうのです
氷の中にできる小さな虹を
それを教えてくれるのは
ぷつぷつとつぶれていく透明のつぶつぶ
ふつふつと湧いてくる怒りの目では見つけることができないの
わたしのなかにいる修羅は
わたしに教えてくれている


ほんとうは知っているのです
悲しみや怒りは望みの種だと
だからいつも感じているの
ぱらぱらと撒き散らしたその種を探しながら
とぼとぼと歩き続けてここまで来れた

わたしのなかにいる修羅は
わたしを見つめていてくれる


晴海たお


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?