【詩】 半分の月
半分こにされた月がわたしを見て言う
「ねえねえ、わたしの半分を知らない?」
わたしは半分こにされた月に言った
「見えていないだけであなたはまん丸だ」
半分こにされた月は悲しそうに言う
「みんなそう言うけど、わたしにはそう思えないの」
わたしは半分この月の気持ちがわかるからなにも言えなかった
半分こにされた月はぽつりと言った
「あなたも半分この気持ちがわかるの?」
わたしは半分こにされた月に言った
「わたしもずっと、自分のもう半分を探してる」
半分こにされた月は笑った
「それじゃわたしとおんなじだ」
半分こにされた月と
半分こを探しているわたしはおんなじだった
晴海たお
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