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何がそんなに忙しいの?

先日、妹から衝撃の事実を聞いた。
本を耳で聴く便利な「オーディブル」で、とある声優さんが朗読したものが倍速で聴くには合わずXで苦言を呈されていたらしい。
そのポストを朗読した張本人の声優さんが見つけてしまい、リポストしていたのだが、当たり前だけど声優さんなんだからおばあちゃんのセリフはゆっくりとおばあちゃんっぽく読むし、青年だったらハキハキと読むのは当たり前。
そのスピードやニュアンスの差が、倍速で聴くとどうも不自然で不満だったらしい。

ちょっと待ってよ。
現代人はドラマや映画を倍速で見るとは知っていたけれど、オーディブルも倍速で聴くの?
な、なんのために?単なる時短?
じゃあ、その時短して余った時間で倍速でドラマや映画を見ているの?
みんなそんなに忙しいの?
というか、何がそんなに忙しいの?
時短して捻出した時間で、現代人はいったい何をやっているのだろうか。
単純に疑問に思った。
そして、オーディブルさえ倍速で聴かれる時代なんだからそりゃ本なんか読まれないよなあとも思った。

例えば家事を簡略化して、できた時間で趣味を楽しむとする。その人の趣味は韓国ドラマだ。でも、セリフが聞き取れればいいから倍速で見る。
え?家事を簡略化した意味ってこれあるのか。
だったら家事を簡略化せず、とりあえずやることをきっちりやって休憩時間にじっくりと韓国ドラマに浸った方が充実した時間を送れるのではないだろうか。

現代人は時間に追われているとよく言われているけれど、何の時間に追われているのだろうか。
仕事?趣味?恋愛?
でもそれってだれかに別に見せるつけるためにそうしているわけではない。
自分自身が単純に「仕事しなきゃ」「趣味を充実させなきゃ」「恋愛もしなきゃ」と思っているだけで、世間の時短風潮なんか無視すればいい話しだ。

本当に充実させたいものはなんなのか?
時短をしてまで時間を捻出して、何が自分はしたいのか?
ちょっと立ち止まって考えてみるといいかもしれない。

と、いうか「時短」ってそもそもなんのために生み出された言葉なんだろう。
何が世間を「時短」に向かわせ、そして「時短」の果てに何が待っているのだろう。

西桜はるう


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