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ジョジョ第1部舞台化ッ!期待!せずにはいられない!

◆映像

『ジョジョ』はこれまで時代と次元を問わず、数々の映像化がされた。

3部のOVAにはじまり、パッケージ化がお蔵入りとなってしまったが主題歌が名曲すぎる1部の劇場アニメ化。最も有名なのは言うまでもなく、現在6部まで実現化させたTVアニメシリーズだろう。

二次元の枠に留まらず、4部の実写映画化スピンオフ『岸辺露伴は動かない』の連続実写ドラマ化と、ジョジョ本篇に匹敵するような予想できるようでできないまさかのメディアミックスが展開され続けている。皆さんもご存じの通りだとは思うが、『岸辺露伴 ルーブルへ行く』が劇場上映がはじまったばかりなのは記憶に新しい。

それが今回、第1部『ファントムブラッド』の舞台化。
今まででありそうでなかった発想であり、演出のセンスが強く試される面白い題材だ。

◆第1部が一番好きな理由

ぼくはジョジョの中では実は第1部が一番好きなのだが、最高にハイになって断言できる理由として台詞回しのアツさとライブ感、ジョジョシリーズで最も最も最も最も最も最も人間賛歌を謳ったアツい登場人物たちが好きだからである。

ジョジョで一番人生を変えられた人物と言ってもいいだろう、スピードワゴンさんの後方ジョースター理解者っぷりがむさくるしくて暑苦しくて大好きだ。
ディオ様の傀儡にされ、タルカス共々敵として立ちはだかるも、最期ジョナサンにLUCK(幸運)とPLUCK(勇気)の剣を託した、黒騎士ブラフォードとの奇妙な友情が大好きだ。
かませで倒されてしまったとはいえ、最期の置き土産をかっこよく残してくれたダイアーさんが大好きだ。

連載当時についてはまだこの世に誕生していなかったぼくは知らないので、もう憶測で語るしかないのだが、当時はまだ人気と連載が安定していなかった、スタンドが登場した3部から人気急上昇したという逸話は聞いたことがある。
それ以前に、過去二作連続で打ち切られた故にラストチャンスとして全力で挑んだだろう、荒木先生のマジで決死な情熱がこの第1部で最も伝わってくるのだ。

1部で一番印象に残ったシーンを挙げるなら、ジョースター卿が語るジョナサンと愛犬ダニーの友情秘話である。最初はあまり良い馴れ初めではなかったが、ジョナサンが川で溺れたのをダニーが助けてくれたのを機にふたりが友達になれたのは本当に素敵な話だし、犬好きとしてとても羨める尊き友情である。

………故に、ダニーが殺されたのは自分のことのようにつらかったし、ディオ様を一生憎めるくらい赦せなくなった。
ディオ様は悪役としては大好きだが、こういったヒールがまた悪役として漆黒の輝きを持たせてくれたので、なんとも複雑な気分になれる。…今でもダニーの死は読み返すのがとてもつらい。(※TVアニメ版ではマイルドな表現にされている)

◆第1部はまさにミュージカルだ

1部と2部のTVアニメは早いものでもう11年前になってしまった。
それでも放送当時の熱意は昨日の出来事のように思い出せる。

今思い出してみると1部は特にミュージカルみたいだった。主にスピードワゴンさんがうるさすぎたせいだな。
それ以外の理由としては、ジェットコースターのような怒涛の勢いで進行するストーリーが起因だとぼくは考えている。なにせ4.5巻分(全44話)の第1部を全9話で完結だからな。生き急いだ構成なのは否めないし、当時は全何話にすべきなのかリソースについて色々熟考したのだろう。けれど、これはこれで大正解だった。テンポが良すぎて面白さを加味している奇跡になっているからだ。
内訳すると、初回第1話ではラストで7年後(大学時代)に突入したのはびっくりしたし、第3話でジョースター邸でディオ様と一度決着を迎えた(原作2巻分終了)くらい話が進みすぎている。

第1部はストーリー進行が特に劇的だった。
最終回(ex.2部ラスト)ならともかく、中盤で7年後なんてダイナミックな展開をやるのは第1部くらいしかない。ジョジョは数世紀にわたる物語でありながら、各部は一年経過すらしないことに改めて気づいた。すごいな。
この第1部はジョナサンとディオ様の物語だから実に大河的である。そのへんもミュージカルっぽい気がした。
メイン二人やエリナの役者は少年編と青年編を別々に分けるのだろうか?

ダイナミック進行もだが、1部は演出やナレーションも劇的な舞台っぽい。
ナレーションはTVアニメシリーズ同様、大川透さんを希望したいんですがかまいませんね!…といいたいのだが、当時ほどの迫真ナレーションはきびしいかもしれない。

ジョースター卿に毒薬を盛るディオ様を疑うジョナサンの見開きは特に、いかにも、舞台でイメージしやすいんじゃあないかな。
流石にカメラワークや構図は原作とは異なる、というかアップでは映しづらいかもしれないが、立ち方とか超スゴイやり甲斐がありそうで、いったいどのように再現されるのか楽しみである。

◆メディアの違いを『理解』せよッ!

ミュージカル(舞台)の類は恥ずかしながら一度も見たことがない。
興味はあるのだ。現在開催中の『HUNTER×HUNTER』は原作ファンであるぼくは最初あまり興味がなかったのだが、評判の良さに片耳を立てている。また、公演中止になってしまった『デュラララ!!』は行く気満々だった。今秋公演予定のチェンソーマンのも気になっている。

勿論、アニメと舞台では尺やテンポは全然異なるだろう。
1部の劇場版のようにカットされてしまい、原作未読では理解不能理解不能に陥る可能性だって有り得る。

上記サイトによれば、舞台の公演時間は1.5~3.5時間。
参考として、TVアニメ版は24分*全9話=216分…大体3.5時間。
2幕構成故に途中休憩を挟むそうで、それならジョースター邸での死闘(原作2巻終了)で一度区切りをつけるのが理想的かもしれない。

ダニーやゾンビはどうするんだよとか、ラストのディオ様は首から下は黒タイツになるのか?とか、いろいろ気になるところは多いが、あくまで舞台としてのジョジョがどうなるかにまず注目を置きたい。
黄金の精神を受け継ぐ素敵な作品であることを期待しつつ、筆を擱かせていただく。

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