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人生は、たったひとりの相棒を探す、長い旅路である

今、ぽっかりとした喪失感に浸っている。
やり遂げた感とは違う、体の電力を使い切った感じ。

まあ、子供の大学卒業が決まったことで、親としての責任にとりあえずのメドがついた。

ここ10年、がむしゃらに働くには、お金がいるって理由があって、全てを後回しにするだけの大きな目標だった。いや、逃げ場だった。
だって、仕事で忙しいって理由には、誰も反論できないから。

もう、そこまで暮らしを犠牲にするような働き方をしなくていいのだ。
そう思ったら、急に力が抜けた。

自分の仕事はドライバー。
普通免許で乗れる車なら、何でも運転する。来た仕事は、基本断らない。
1日、食事も取れずに、12時間も13時間働き、1日300キロ近く運転することもザラ。移動もハンパなく、1万歩くらいは
毎日歩く。
動けることがどこかで誇らしかった。
男性に混じって、何でも運転出来ることが当たり前だと思ってた。
でも働いている自分が、なんだか急に可哀想になった。
なんだ?今まで、誇りをもって働いてきたはずなのに。
ここまで働かない同僚や夫をどこかで見下してきたはずなのに。

ひとりで突っ走りすぎたんだ。
そして、ひとりぼっちで、息きれた。

相棒をさがしていたんだ。

仕事でも、趣味でも、生活でも
自分と同じ熱量で、同じ方向を向いて
互いに切磋琢磨していける人。
そして
疲れたら、互いに寄りかかれる人。

がむしゃらに突っ走り過ぎて、ふとまわりを見回すと、誰もいなくて
振り返ると、後ろの方で、家族や同僚が、マイペースで生きている。

そうだ。
私がこんなに、命を削って仕事しなくても、会社は回る。家庭も回る。
そう考えたら、全てがどうでも良くなった。

ひとの不幸は蜜の味というが、
 仲良くしているように見える2人が、互いの悪口を言い合ってたりすることがある。それができることが大人同士の付き合いなんだろうか。
もちろん、自分にもたくさんのダメな所があるし、きっと人に受け入れて貰えないこともたくさんあるだろう。それを自覚している。痛いほど。
だから人の悪口にはなるべく乗らないし、聞かないようにしてる。
言いたくないから。
派閥もうまく避けながら生きてきた。

でも、人が信用できなくなるのは、
悪口を言われる事じゃなくて、
悪口を言いながらも、嫌いといいながらも、普通につきあえてしまう人間関係が一番気持ち悪いんだ。 
さっき、私に散々あの人の悪口喋ったのに、普通にできるんだーとか。

嫌いだ、無理だと思ってしまった相手には、閉店ガラガラのシャッターを下ろしてしまう私。で、その心のシャッターが再び開くことは、ほぼ無い。
だから、シャッターが閉まってしまうようなトラブルを避けるために、周りを見ないために、悪口が聞こえないように、ひたすら突っ走ってきちゃったんだな。

ああ、大人って長いよね。
安藤サクラの言うとおりだよ。

この先、まだ短くはない人生を楽しく生きる為には、程々のあきらめと、いいとこ取りの人間関係がいいってのはわかってるんだ。
広く、浅く、友達100人にいいねって押してもらえるほうが楽しいんだよ。

でもね、どこかで探してるんだよ。
たったひとりの相棒を。
全てを委ねあえる、たったひとりをね。

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