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鬱_3

眠剤を飲む。毛布に包まる。ヒーリング音楽を流す。まどろむ。——ここまでは行った。身体と外界との境界線が水を多く含んだ筆でなぞられたように曖昧になっていくのは心地よかった。しかし、まどろむだけで三十分がすぎた。入眠促進の音楽は三十分で切れてしまった。私は入眠支援のレールから飛び出て、宙ぶらりんに眠気を持て余し、結局覚醒に戻ってきてしまった。自分に合う音楽を見つけるのは難しい——眠剤だけで寝るのはもはや諦めている。

自棄になって、夜中に筋トレを始めた。腹筋に背筋に腿上げにスクワット。Vocalodonというマストドンインスタンスで進捗を一方的に垂れ流したら、深夜に起きて麻雀のゲームをしてる大人たちが励ましてくれた。ゲームの画面とスクワットでふとももの筋肉を痛めつけた私の鳴き声でカオスなタイムラインだったが、なんだか心地よかった。

ちなみにふとももは死んだ。

円卓を囲みながら時折こっちも見てくれる感覚、どっかで覚えがあると思ったら、家族だ。思い思いに自由でいるはずなのに、ここぞというときには誰が発破をかけるでもなく自然と居間に集まっているような。

新型コロナさえなければ、私に必要な人間関係を探しに色んなところに出歩きたいんだけど。それができないから、SNSはなにげに心地よい距離感であった。でも、頼りすぎてはいけないんだろうな。所詮ネットの繋がりの人たちに、あまり重いものを背負わせすぎてはいけない。

いつもありがとうございます。執筆のエナジーチャージのためいいなと思ったら「スキ」していただけると幸いですー(*'ω'*)