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春瀬由衣
2022年12月7日 17:20
態度がはっきりしなくぼんやり生きてた私と、チャキチャキ手際のよく頭も回る父の関係は、常に緊張状態にあった。私のノロマさが父の許容範囲であるときは束の間の平穏があり、それをひょんなことで超えたときは私が一方的に怒られた。モゴモゴと思ったことをハッキリ言えなかった私は押されるばかりで言い訳も言えず、そんな姿を見て父はさらに苛立ちが募ったに違いない。ところで、その父が死んだ。私が大学四年生に