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自分で作った洋服を着て暮らすということ

早川ユミさんの「ちくちく服作り」という本を読んで、ものすごい衝撃を受けた。

早川さんは農村で暮らしながら、自給自足に近い生活をしていらっしゃる。自分が 着る服はすべて自分で作っている。私と早川さんは生活スタイルが全然違うので、着る服はまったく異なってくるけれど、自分が必要としているものを、自分の頭で考えて、自分の手を動かして手に入れる、という思想にとても影響を受けた。

それで今年の春から、自分が着るものは自分で作ってみることにした。洋裁自体は好きだけどまったく上手ではないので、最初はとっても苦労した。何度も失敗し、時間がかかっても完成したものを着てみると、イメージとは違ってがっかりしたこともあった。

それでも生地に触れながら、それがどんな形を描いたら素敵に見えるかを考えたり、ミシンを踏んでいる時の自分と向き合う静かな時間だったり、針先だけに集中している気持ちよさだったりがクセになり、この半年で12着服を縫った。

だんだん思い描くものとできあがるものが、近づいてきた感触がある。頭と手が繋がってきたというか。

30代も後半になると、着たい服ははっきりとイメージできる。でもそれを見つけることが難しいというのもわかっている。見つけたとしてもかなり高価だということも。

だから、自分で好きな服を作り出せると思うことは、自分の好きに忠実でいられることで、それはとっても気分がいいことだ。

服を作るために、全身のいろいろなところを採寸したり、鏡に映った自分の姿を前や後ろだけでなく、横や引いた所からも何度も何度も観察する。そうすると年を取って変わった部分もたくさん発見する。

その部分をどうしたら良く見せられるか、気にならないか、カバーできるか、そんなことを考えながら調整できるのも、手作り服のいいところかなという気がしている。

まだまだ修行中だけれど、どんどん作っていきたい。作れば作るほど作りたいものが思い浮かぶ。そのうち写真もアップしたい。

サポートしていただけたら、作品を作り続ける勇気が湧きます。どうぞよろしくお願いいたします。